樹海

 衣替えや「◎◎はじめました」の表示だけでなく、日本では様々な角度から夏の到来を感じさせられる。四季がはっきりしているだけに、日本人はその移り変わりを古来大事にし、楽しんできたし、挨拶や商戦などでも大事なキーワードとなっている。ブラジルにいると、やはりサマータイムが決定的なお知らせだ▼最初の頃は、奇異な感じがしていた。軽い時差ボケ、軽い白夜のような。慣れてくると、ちょっと得した感じもあり、とてもいいシステムだなあと思う。日本では終戦直後に4年間実施しただけだという。2011年の東日本大震災後にも導入が検討されたことがあったが、反対意見のほうが多いとか。日本列島は東西に長いため日の出入りの時間差がある、夜も蒸し暑いのでクーラーなどの使用時間減に繋がらない、などがその理由のようだ▼来年はカーニバルが例年の終了時期に重なるため少々長く126日間の適用とか。ここらへんが何ともブラジルらしい。連邦直轄区と10州が行い、北東伯やアマゾンでは実施しないが、電力減などの問題よりも、1、2時間の違いは色んな意味で影響を与えないからでは? と思ってしまう。治安悪化防止は全伯的に効果がありそうな気もするが▼土曜日寝る前に、1時間針を進める。日曜日のイベントなどに早く行ってしまうと大変だ。定刻に行っても遅れがざらだけに、とんだ待ちぼうけになってしまう。意外と寒いサンパウロの冬を越え、夏の訪れは気分も晴れてくる。久々にプライアに行ってみようか、ビールの飲みすぎには注意しよう―などと考えつつ、この暑さ、水不足がなんともいっても心配だ。(剛)