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大統領選討論会=個人批判に終始の両候補=縁故採用から免停まで=PSDBにPB社疑惑?=マスコミからは酷評も

 16日にSBT局で行なわれた大統領選決選投票前2度目の討論会は、ジウマ大統領(労働者党・PT)とアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)による、個人の経歴攻撃に終始するものとなった。また、PSDBに関し、同党元党首のセルジオ・ゲーラ氏がペトロブラス贈収賄疑惑に絡んでいるとの話も浮上した。17日付伯字紙が報じている。


 ジウマ大統領はこの日、アエシオ氏への個人攻撃を次々と行なった。最初は、アエシオ氏がミナス・ジェライス州知事(2003~6年)時代に親類の縁故採用を行ない、州の広報費も同氏の親族に属する放送局3社と新聞社1社に振り分けられていたと指摘した。
 これに対しアエシオ氏は、「私の姉は州政府のボランティア組織の会長を務めていたが、無報酬だった。それに引き換えあなたの兄のイゴール氏はフェルナンド・ピメンテル氏(PT)がベロ・オリゾンテの市長時代に縁故で役職を得、勤務実績もないのに報酬を得ていた」とやり返した。
 さらにジウマ氏は、「治安」をテーマに話をしていた際に、交通事故の話を繰り出し、「飲酒運転の検査はどの市でも必ず行なわれるべきだ」と語り、アエシオ氏が2011年に自動車免許の免停処分を受けた際、同検査を拒否したことを皮肉った。そして、飲酒運転禁止法の規制を緩めていると批判した。
 それに対しアエシオ氏は、「あの件は免許の期限切れに気がついていなかったことで起こった。私はその過ちを認める。絶対に自分の過ちを認めようとしないあなたとは違う」と切り替えした。
 またジウマ氏は、この日報道されたばかりの、PSDB元党首のセルジオ・ゲーラ氏がペトロブラス(PB)疑惑に関与したとされる件についてたずねた。それはゲーラ氏が2009年に、ペトロブラスのアブレウ・エ・リマ製油所問題の議会調査委員会(CPI)の活動を終了させるために同公社の贈収賄工作仕掛け人の元供給部部長のパウロ・コスタ氏に1千万レアルの賄賂を要求、2010年(エスタード紙、フォーリャ紙では09年)にそれを受け取ったというものだ。
 これに対しアエシオ氏は、「PB問題に対して初めて本気になられた」とジウマ氏を皮肉りながら「疑惑のある全ての人を調査すべき」だと答えた。そして、「あなたの政党はなぜ、疑惑の中心のひとりと言われる(PT金庫番の)ジョアン・ヴァッカリ氏を議会調査委員会に行かせないのか」と返した。
 ゲーラ氏の疑惑に関しては、ラヴァ・ジャット作戦の捜査関係者4人が「コスタ容疑者が捜査官に語った」ことを認めたと報じられているが、その関係者が誰でコスタ容疑者がいつ発言したか、ということには触れられていない。また、ゲーラ氏は今年3月に肺癌で他界している。
 この日の討論会を、エスタード紙は「両候補のイメージの汚し合いが止まらない」、フォーリャ紙は「SBT局の視聴者参加の公開バラエティ番組を見ているようだ」と酷評している。