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アマゾンの森林伐採増加=9月は前年比で290%も=監視だけでは抑制出来ず

 アマゾンの持続可能な開発を目指す非政府団体(NGO)「アマゾン人間・環境院(Imazon)」によると、8~9月の法定アマゾンの森林伐採は昨年同期比191%、9月だけだと290%増と19日付フォーリャ紙や20日付エスタード紙が報じた。
 同院の森林伐採警告システム(SAD)によると、9月の伐採面積は402平方キロで、昨年同月の103平方キロ比290%増えた。新年度最初の2カ月(8~9月)の伐採面積は838平方キロで、288平方キロだった昨年同期比191%増だ。
 9月の伐採増加は、木を切り倒した後に根っこなどを焼き捨てて開発した土地の増加や、雲が少なく、93%の地域を観測出来た事などが原因。昨年観測出来たのは79%の地域のみだった。
 国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)などによる不法伐採の監視は強化されているが、8~9月は森林火災や製材用の樹木伐採も711平方キロ確認され、昨年同期の108平方キロ比558%増(9月だけだと24平方キロで昨年同月比で3797%増)だから、雨が少なかった事も伐採増加に繋がった可能性がある。
 また、従来の伐採管理システム(Deter)より解析能力が4倍高い新Deterが導入された事も原因の一つ。従来は25ヘクタール以下だと確認不能だった伐採や火災跡も、6ヘクタールから確認出来る。
 伐採面積最多はロンドニアの260平方キロで、88平方キロだった13年比195%増。以下、マット・グロッソ222平方キロ(13年比939%増)、パラー152平方キロ(同81%増)、アマゾニア132平方キロ(同76%増)、アクレ51平方キロ(同172%、ロライマ20平方キロ(同2699%増)、トカンチンス1平方キロと続く。
 SADでは、政府の公式データを提供する国立宇宙調査研究院(Inpe)のDeterと同じ衛星とセンサーを使っているが、Inpeのデータは選挙後の11月にしか公表されない。Inpeが発表する年間伐採面積はより解析度の高い衛星画像を使って算出されており、12年8月~13年7月の伐採面積は前年度比29%増の5891平方キロ。火災などで失った森林面積は12年度が8600平方キロ、13年度が5400平方キロだった。
 アマゾンの森林伐採は酸素供給量や二酸化炭素の排出量の他、上空を流れる風で運ばれる大気の湿度や大気が流れていった先の雨量などにも関係する。現在のように伐採が進み、再植林はおろそかにされていれば、国内の少雨、干ばつはより深刻化する可能性もあり、より厳格な監視や罰則をと訴える声も出ている。