2006年12月29日付け
【エスタドン二十八日】リオデジャネイロ市内各所で二十七日夜から二十八日未明にかけて、警察署への襲撃やバスの焼き打ちが多発した。二十八日朝の保安局の発表によると、襲撃は十二件、死者は少なくとも十六人、負傷者は二十二人に達した。被害者の数はさらに増える恐れがある。
確認された死者は、軍警二人、市警二人、犯人五人、そして焼き打ちされたバスの乗客七人。バスはイタペミリン交通が運行するもので、サンパウロ市に向かいリオ市内のブラジル大通りを通行中に事件が発生した。バスを脱出した乗客の証言によると、二人組の男がバスに乗り込み、一人が燃料を座席にばらまいた後、もう一人が火を放ったという。バスには乗客が二十八人いた。バス会社は、正確な被害者の数をまだ確認できていない。
バーラ・ダ・チジュカ区で発生した襲撃では、軍警二人が死亡した。一人はアイルトン・セナ通りでパトカーの外にいたところ、三台の自動車が発砲しながら通り過ぎ、撃たれて死亡。同僚の警官が負傷しながらも銃で応戦し、犯人の一人を射殺した。ボタフォゴ海岸では、軍警の交番が機銃掃射を受け、近くにいた行商人の女性が背中を撃たれ即死した。目撃者によると、少女一人も死亡したという。
軍警は二十八日朝、バスを焼き打ちした疑いで三人を逮捕したと発表した。逮捕時、容疑者の一人はやけどを負っていたが、その理由を説明できなかった。
今回の襲撃はファベーラでの軍警の取締りに対する報復として、麻薬密売組織メンバーが行ったとみられている。襲撃前に犯人らは、ファベーラ住民の敵を支援したとして州知事を批判する冊子を配布したという。また、犯罪組織コマンド・ヴェルメーリョが襲撃を指揮し、命令はバングー市の刑務所から出されていたとの情報もある。