ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 全国の家庭の実態は?=女性の職場進出に少子高齢化

全国の家庭の実態は?=女性の職場進出に少子高齢化

2006年12月29日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】ブラジル地理統計院(IBGE)が二十日に発表した二〇〇五年度の全国家庭実態調査によると、上下水道やゴミ回収などの基礎的な公共サービスを受けている家庭が全国平均で七〇%に達してない。
 地域別では南東部が八九・一%と最も高いものの全家庭に設備やサービスが行き届いていない、南部では六四・八%、北東部は四〇・四%、中西部は四〇%で、北部に至っては一〇・五%の低普及率となっている。これにより全国平均は六六・五%と報告されている。
 都市別ではリオデジャネイロ市の八九・三%、サンパウロ市とポルト・アレグレ市がそれぞれ八八・九だが、農村地帯では全国平均以下の六一・一%とコントラストを見せている。
 全国で過去十年間に一三五万軒の新家屋が建築された。一九九五年の家屋総数は三一四〇万戸だったのが二〇〇五年には四四九〇万戸になった。その八四・五%が都市部に集中しているものの、公共サービスがそれに追いつかないのが実態となっている。
 いっぽうで女性の職場進出で家族構造も変化を見せている。女性の十二年以上の学歴が五六・一%と男性の四三・九%を上回り、女性上位の様相を呈している。九五年からの十年間で三・二ポイントの上昇となった。これにより女性が収入源となって家族を支える割合が全国平均で十年前の二〇・二%から昨年は二八・五%に上昇した。
 とくに顕著だったのが、サルバドール市(四二%)、レシフェ市(四一・一%)、ベレン市(四〇・九%)で倍増となった。このほとんどが未婚あるいは離婚経験の独身者で、仕事に打ち込むことで評価を受けて地位が向上している。
 これにともない少子化現象も起きている。全国の家庭の子供の数は平均二・五人から二・三人へと減少した。高学年歴者ほど少子化が進み、三年以下の学歴の女性が平均四人の子持ちに対し、八年以上では一・五人となっている、北部や北東部では平均より三人以上増加している。一般に出産が減少した中で、十五歳から十七歳の未成年の母親が急増している。〇四年では六・八%だったのが、〇五年は七・一%へと上昇した。
 一風変わった統計では離婚したカップルの婚歴寿命がある。十年前の破たん期間が一一・一年だったのが昨年は一二・一年に延長となった。最も短いのがアマゾナス州の九・七年で、長持ちしたのがリオ・グランデ・ド・スル州(一三・九年)とサンタカタリーナ州(一三・五年)だった。結婚にゴールしたのは〇五年度で、八三万五八四六人で、前年比三・六%増となった。逆に別居組が七・四%増、離婚は一五・五%増でラッシュの様相を見せた。
 いっぽうで六十歳以上の高齢者の数は過去十年間で五〇%相当の六〇〇万人増となり、総数で一八一〇万人となり、〇五年度のブラジルの総人口一億八四三〇万人の一〇%を占めるに至り、長寿社会を形成している。