2006年12月28日付け
聖西日本語教育連合会(佐藤吉洸会長)の忘年会・研修旅行が二十一日、アチバイアで実施され、会員講師など二十人が同地の斉藤バラ園、中沢スポーツセンターなどを訪問した。
一九九四年から続く同研修旅行は「ただ日本語を教えるだけでなく、視野を広めよう」といった目的で始まり、これまでイタペセリカ、イビウナ、サントスなど近郊各地で実施。十三回目の今回は佐藤会長、地区会員講師十五人のほか、国井精名誉会長、遠藤健吉相談役、斎藤政雄賛助会員などが参加した。
三十七ヘクタールの土地で毎日六万本のバラを出荷する斎藤バラ園。苺作りから始め、一時は「百姓をやめよう」とまで考えたが、今では労働者百七人を抱えるほどに成長したという。一行は経営者の斎藤フランシスコさん(54、二世)の説明を聞きながら工場と広大な畑を見学。続いて近隣の「中沢スポーツセンター」(中沢宏一理事長)を訪れた。
中沢理事長の「日本移民として何か残さなければ」との思いから、〃日本の高校生を養成する場〃として設立された同センター。宿舎、サッカー場などを備えた約五十ヘクタールの施設で、これまで、大分、宮城、栃木などから留学生を受け入れてきた。現在では韓国の中学生の希望者も増えているという。参加者はシュラスコを囲みながら、説明に耳を傾けていた。
市内観光などを行い、一行は帰聖。参加者の山本重代講師(山本塾)は「何十年とサンパウロに住んでいて、認識がなかったと感じる。日本人・日系人の方々の活躍を目にして大変嬉しいです」と感想を話した。佐藤会長も「中沢さんのセンター建設の目的を聞き、人間作りという基本的なものは変らないと感じた。これからも日本語教育に尽してゆきたいです」と意気込みを新たにしていた。