2006年12月22日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日一部既報】連邦警察は十四日、国内最大のコールガール組織を摘発、組織を取り仕切っていた五十一歳の女性と一味七人を検挙した。一味は売春および人身売買取締法違反、犯罪組織の結成などの罪に問われ、犯罪が確定すると最低八年の禁固刑になる。
連警は延べ一〇〇人の捜査員を動員して六カ月間内偵を続けた結果、立件を確認して逮捕に踏み切った。十八カ所の家宅捜査令状をもとにコンピューター、CD、書類や予定表などを押収した。事務所はサンパウロ市のみならず、ABC地区にも散らばっていた。また組織の首領の女のサンパウロ州ジュキチバ市の自宅も捜査された。
この家宅捜査で立件の決め手となったのが、一〇〇〇人のコールガールの写真を収録したアルバムと、女達と顧客の身上調査だった。女達は女優とトップモデルで、これまで一度は男性向き雑誌で表紙やヌードグラビアに登場した経験のあるメディアの売れっ子ばかり。アルバムのほかに複数のヌードあるいはセミヌードの写真も押収された。
組織では主にEメールで写真を紹介し、あっ旋していた。顧客リストには政治家、企業家、プロサッカー選手のほか、外国の高官などの名が連ねていた。これら客らは女達と共に証人として連警に出頭を求められる可能性もあり、スキャンダルに発展する懸念も含まれている。しかし連警では九〇〇時間に及ぶ電話盗聴(客と女の会話も含め)で物証は十分だとしている。
連警の調べによると、コールガールは客の要望に応えて人選され、一晩五〇〇レアルから一五〇〇レアルで派遣される。組織はこのうち三〇%から五〇%をピンハネする、中でも組織が「金の卵」と呼ぶ地方大学出身者は一晩七万レアルの相場となっている。
組織は国内にとどまらず、海外とくにポルトガルやスペイン、ロシア、米国にも女を派遣していることから、連警は現地の警察の協力を得て追及している。組織を取り仕切っている通称ジジという女性は、売春あっ旋三十年の経歴を持つ大ベテランで、この道の裏を知り尽くしているという。表向きはプラチック芸術家として社交界に出入りし顔を売っていたという。