2006年12月20日付け
ブラジル日本語センター(谷広海理事長)は、「JICA日本語学校生徒研修」で訪日する生徒の送別会を、十二日同センターで開催した。今年は、ブラジルをはじめペルー、パラグアイ、ボリビアなどから三十七人の生徒が参加するが、送別会にはブラジルから訪日する生徒二十人のうち、サンパウロ、パラナ、マット・グロッソ・ド・スルに在住する十人が集まった。同制度のOBは体験談を「一番不思議だったのは、日本人」と話し、訪日する生徒らは、初めての訪問に期待でいっぱいの様子だった。
生徒研修は、一九八七年から移住者の定着のために子弟教育を補完する目的で十三歳から十五歳を対象に実施されてきた。一月上旬からの一カ月間を日本で過ごし、中学校の体験入学やホームステイを通じ、日本の歴史や文化の理解に努める。
送別会で、JICAの野末雅彦サンパウロ支所次長は「日本では日本語を学ぶだけでなく、いろんなものを見てきてください。日本のよいところだけでなく、ブラジルによいところも見えてくるでしょう」とエールを送った。
続いて、一人ずつ日本語で自己紹介。一九九四年に生徒研修で訪日した生徒の一人さんは「雪合戦をして雪だるまを作って、本当に楽しかった記憶」。そのなかで「一番不思議だったのは日本人。考え方や雰囲気が少し違うように思った」と話した。「接していくうちに変わらないと思うようになるので大丈夫」と生徒らを励ました。
安楽あけみさん(スザノ在住)は「全部が楽しみ」と満面の笑顔。母の久美さんは「忘れ物をしやすいから気をつけて」と娘の姿を見つめていた。
また日本の中学校を想像して、川畑暁美アケミさんは「礼儀正しい」。藤野恵美さんは「もっと厳しい」と予想した。小森美津江さんは「雪を見たい」。渡辺啓子さんは「回転寿司に行きたい」とそれぞれの期待を語っていた。
〇五年までの受け入れ総数は七百五人。生徒らは、来年一月八日にブラジルを発つ。