2006年12月20日付け
移住地の思い出を聞かせてください――本紙新年号に向けた編集部からの呼びかけに、多くの反応をいただいた。
日々の取材の中で、いろいろな人から、昔暮らした移住地の思い出話を聞く機会がある。世界地図の一部に過ぎないブラジルの、さらに小さな点のような移住地。今も続く所、町となり当時の面影が消えた所、すでに消えてしまった所もある。
でもそこに、確かな人々の生活があったこと。それは、そこで生きた人たちが語ることで歴史に残っていくのではないか、そんな風に思う。
そして今回、いろいろな昔話を〃聞かせて〃もらった。その一方でまた、今回筆を取ることのなかった幾多の思い出にも想像がふくらむのだ。
先日、移民の姿を撮り続けた知人の写真展を訪れた。写真に刻まれた人々の顔を見ながら、改めて移民の足跡を残す意味を考えた。 (ま)