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様変わりする都市別GDP=大都市から地方へ分散=低下するもサンパウロ市トップ維持

2006年12月15日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】州都を始めとする各州大都市の国内総生産(GDP)の全体に占める割合が年々低下して経済分布が様変わりしつつある。これまで大都市に集中していた富裕層が分散したのと、企業が脱都会で地方に移転したのが大きな原因となっている。
 ブラジル地理統計院(IBGE)が一九九九年から二〇〇四年までの推移をとりまとめて十三日に発表したもので、とくにサンパウロ市でこの低下が顕著となっている。全国の都市ランキングでは依然として他市を引き離してトップの座は揺がないまでも、GDPに占める割合は九九年の一一・六%から、〇四年は九・一%へと二%の低下となった。
 サンパウロ州内では三三・一%から二九・四%へと低下、いっぽうで地方都市は三五・五%から三六・八%に上昇して地方分散を実証した。サンパウロ市の二・五ポイントの低下は経済規模から当然だが、全国五五六〇市で最大の低下を示した。
 サンパウロ市に限らず主要都市では押しなべて同様の現象が起きている。低下ポイントはサンパウロ市の二・五を最大として、リオ一・四、ポルト・アレグル、クリチーバ、サルバドール、カンピーナスの各市がそれぞれ〇・二となった。
 GDPに占める割合は主要十都市が二五%で、半数に相当する二四二七市の統計は五%にも満たない。全国ベスト一〇は順に、(カッコ内は一九九九年のランク)サンパウロ市(一位)が九・〇九%、リオデジャネイロ(二位)が四・一九%、ブラジリア(三位)が二・四六%、マナウス(五位)が一・六八%、ベロ・オリゾンテ(四位)が一・三九%、カンポス(リオ州、二七位)が一・二一%)、クリチーバ(六位)が一・〇八%、マカエー(リオ州、五五位)が一・〇四%、グアルーリョス(サンパウロ市、八位)が一・〇三%、ドゥケ・デ・カシアス(リオ州一五位)が一・〇二%となっている。
 この中でブラジリア(連邦政府系の業務扱い)とマナウス(自由貿易ゾーン)が横ばいとなっている。注目されるのはカンポス、マカエーの両市で、ペトロブラスの石油基地でブームとなり目ざましい発展を遂げている。グアルーリョス市も工場進出で、家電や自動車部品の産地として気を吐いている。