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根強く残る少女売春=更生施設で将来取り戻す

2006年12月15日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】北東部では相変わらず未成年売春が根強く残っているが、ペルナンブッコ州ではさらに急増、当局は取締りを強化している。しかし実数の把握が困難で対策も行き当りばったりとなっている。
 統計がないが、国連のユニセフの報告によると、同州の六三市で未成年売春がはびこっている。地域医療審議会が実施する辺地医療のキャラバン隊によると同州の全一八四市のうち一〇四市で未成年売春が行われているという。
 州都レシフェ市から六五五キロのラゴア・グランデ市もその一つで、市では取締りを強化している。しかし未成年らは職業売春婦とは違い、その場での快楽や空腹を満たすために、代償にこだわらないため売春取締法に触れない場合が多い。代償にはキャンデー、アイスクリームや数センターボでも体を開く。麻薬も大歓迎だ。専門家によると、彼女らの関心は、麻薬とフォホー(地域のダンス)そしてセックスだという。
 同市はブラジル南北を結ぶ国道四二八号線と一二二号線が交叉する交通の要所で、長距離トラックなどの休憩地点となっていることで、この種の商売は繁昌している。未成年者のガソリンスタンドへの出入りは禁止されたため、専門のバラック小屋の溜まり場が立ち並んだ。当局が急襲して取り壊しをするが、場所を変えて出現するイタチごっこが続いている。売春宿では壁にはめこみ扉があり、未成年者は警官や取締官が来ると、そこから外部に逃亡するため、補導は困難を極めている。
 十一歳から十七歳の彼女らのほとんどが初等級三年ほどで学業を放棄している。快楽を覚えたことで「勉強はつまらない」。ある十三歳の少女はクラスの童貞の男の子にせがまれてセックスの相手をしたところ、クラス全員の知るところとなり、さげすみや非難が集中したのに嫌気がさして登校しなくなった。
 同市では昨年から、人権擁護団体の協力を得て、女性の補導員が毎夜街頭に繰り出している。少女らが心を開いて話ができるからだ。その結果、三四人の未成年者らが「少女の家」と呼ばれる更生施設に収容された。この施設は心理学専門医との対話のほか、装身品や木工品の製造訓練ができる。収容された少女らはみちがえる程、社交的で明るさを取戻し、学業に復帰している。
 同市はブドウとワインの産地であり、これに関連した職業を目指すと意気込んでいる。その上、これまで冷たくあしらわれてきた家族とも打ち解けている。未成年売春婦は更生して社会復帰するか、十八歳になった時点で、職業売春婦となるかの二者択一の運命となっている。

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