Xマス商戦はイマイチ=昨年比売上1%増=すでに借金だらけの消費者
2006年12月14日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】十六日から二十四日までのクリスマス商戦の本番に向けて熱戦の火ぶたが切り落された中、小売商店筋では今一つ冴えない表情を見せている。
サンパウロ州商業連盟によると、今年十二月の売上は昨年同月対比わずか一%の上昇と予想され、横ばいとなった。連盟筋では当て外れの最悪の状態だとして、クリスマス気分に浸っていられないと嘆いている。これにより今年の売上増は昨年対比三%から四%の上昇にとどまるとみられている。昨年度は二・八%の上昇率で、連盟によると過去数年このレベルが続いており、改善されていないという。
今年の小売店の売上不振は、金融機関への借金の未払いや月賦の滞納が積み重なって、とても新規購買に踏み切れないのが原因となっている。同連盟が毎月一三六〇人余を対象に行っている調査によると、十二月で借金を抱えている人が六一%に上がり、このうち四三%が支払を滞納している。さらに驚くことに三三%が支払不能を宣言している。昨年はこれが一九%だった。
なかでも低所得層にこの割合が増えている。最賃三倍までの所得層では借金を抱えるのが七六%で、六〇%が滞納、四一%が支払うめどが立っていないという。今年は金融機関の融資やクレジットが容易になり、商店もこぞって長期月賦を前面に押し出したことで、低所得層の消費が増加したツケが回ってきたとみている。
また十三カ月給与が年末商戦に大きなインパクトを与えるが、今年はほとんどが借金返済に当てたことも原因となっている。さらに基本金利が昨年九月から連続的に引き下げられているものの、未だ消費者に行き届いていないのが実情だという。
商店側の個人消費者への実質金利はつき三・六一%で年間ベースだと月平均三・七九%となる。インフレ率が年間三・二六%であり、金利はすこぶる高率となっている。
いっぽうでスーパー業界では、クリスマス商戦で昨年対比四%から五%の売上増になると見て確かな手応えを感じている。年間では昨年比一二%の上昇になると予測している。