2006年12月14日付け
「心も体も強く、優しく、美しく」――。カラッとした明るい笑顔が似合う女性総合格闘家、しなしさとこさん(29)は日本の格闘技団体「スマックガール」の現フライ級チャンピン。このほど一カ月半のブラジル単身武者修行を終え、十二日に帰国した。
今回の滞在をふり返り、「ブラジルにずっと住んでもいい」と話すほど〃ブラキチ〃気質満点なしなしさんは、早くも来年の二月ごろに再来伯を予定。現在、長期滞在するためにスポンサーを探している。
「格闘技の女王」―。身長百四十八センチ、体重四十四キロと女性格闘家の中でも小柄な体格だが、成績はずば抜けている。二〇〇一年にプロデビューし、これまで二十六戦二十三勝一敗二分けと驚異の数字だ。
得意技は、高校から大学にかけて培った柔道の投げ技で、するどい投げで相手を倒して腕十字固め。それを必勝スタイルに、日本の格闘技団体のスマックガールやDEEP、HEATなどで幅広く活躍している。
滞伯中はサンパウロ市パライーゾ区にある道場で柔術の基礎をみっちりと練習。ほぼ毎日道場に通い、昼と夜二時間ずつブラジル人柔術家と汗を流した。
ブラジル人格闘家の印象は「女子でも体格がよくてパワーがあり、技術もある」。その理由を尋ねると「フェイジョンとお肉をよく食べているからかな」と笑顔で分析する。
来伯にあたり「言葉もまったくわからなかったですけど」と話すしなしさんだが、持ち前の明るい性格と度胸で、初めてのブラジルライフもしっかりと満喫した様子。
自称〃買い物おばけ〃で、休日にはサンパウロ市内のショッピングセンターをまわって買い物を楽しんだ。ブラジルの女性の服はどれも色使いがいいと絶賛で、「友達への土産に買ったビキニは十着は軽く越える」そうだ。
この他にも道場で出来たブラジル人の友人と一緒にシュラスコを食べにいったり、海に遊びに行く中で、「ブラジルは日本と違って変に気を使うところもなく、とてもオープンなところ」と実感。「将来はブラジル人と結婚してもいいくらい」ほどに気に入った。
帰国後は、休む間もなく東京後楽園ホールで韓国人格闘家との試合が控えている。「そのときはブラジルで学んだ技を生かして勝ちたいですね」。
しなしさんは現在、ブラジルでの長期滞在を希望している。一級の格闘家として腕を磨くためにはスポンサー(資金援助者)が必要だ。滞在ができれば、早いうちにでも「ブラジル人女性格闘家との試合を行いたい」意向で、その際には「多くの日系人の方にも見てもらいたい」と胸を弾ませている。
スポンサー希望者や関心がある人は、ニッケイ新聞社日本語編集部のイケダまで連絡を。(電話11・3208・3977)まで。