2006年12月14日付け
日本移民五十周年で建設が決められた文協ビルを百周年で大幅改修し、次の節目、百五十年まで使えるようにするという案は悪くない。ビル改修を百周年記念事業にするための検討委員会設置が、文協評議員会で可決された。評議員の間で「百年祭はただのイベントで終わらせてはいけない。なにか次の世代に残せる形あるものを」との声は多い▼さらに、移民七十周年で落成した移民史料館は、〇七年度予算でも九万レアル近い赤字を出す予定。本来は「歴史遺産」として後世の残す〃宝〃として建設されたが、残念ながら、財政的には〃負の遺産〃ともいえる状況が続いている。これを独立させて財団法人にし、独自に企業支援を頼む案は今まで何度も出されてきた。今度こそ陽の目を見てもいい▼聞くところによれば、サンパウロ市イジエノーポリス区の旧総領事公邸はすでに売買契約がほぼ終わっているので、そちらへの移転は無理という▼ならば、文協のすぐ上にあるカンポス・サーレス州立校跡を百周年で「間部学美術館」にする計画がすでにあるから、関係者にお願いして、ここを移民史料館にし、内部に立派な「間部講堂」を作るのはどうか。現在、史料館が占める三フロアー分を賃貸すれば、文協財政は一挙に好転する▼百周年で文協ビル改修をやるには、できるだけ全伯団体との連絡を密にし、全体に利益のあるプランに改良する必要がある。渡部和夫評議員が言ったように、日伯総合センター案と統合するのも悪くない。一世、二世の諍いをする猶予はもう残されていない。すぐに団結して取り組む勢いがほしい。(深)