2006年12月13日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】国税庁は十一日、救急車CPI(議会調査委員会)で取り調べを受けた国会議員九十人のうち八十九人の所得税申告書と銀行取引が合致せず、説明のため召喚することを明らかにした。これら議員の銀行取引に資金移動の痕跡があり、所得の存在が認められるのに、資産目録には住宅やマンション、外車などが申告漏れとなっている。三十五人は既に出頭を要請され、五十四人は近日召喚となった。さらに水増し予算案の受理で、贈収賄の疑惑がある関係者一五〇人も召喚される。国税庁の審査は、CPIと関係なく進められる。
救急車スキャンダルに関与した議員はCPIの虎口を逃れたものの、国税庁の牙が狙っていた。国税庁が包囲網を縮める中、CPI報告者のランド上議(ブラジル民主運動党=PMDB)は、最終報告書で名指しをしなかったものの、倫理委員会へは灰色議員名簿を提出した。
国会議員や側近へのリベート配布で奔走した一五〇人の水増し予算請求の不正行為も、国税庁は立件した。この中には疑惑者の家族や友人、議員の側近、議員の関係企業などが含まれる。国税庁の召喚は十二月末までに行う。
連邦警察は、同システムの主犯と目されるルイス・A・ヴェドイン容疑者の供述から、一億一〇〇〇万レアルの公金横領があり、一三〇〇万レアルは仲介人や政府職員が着服と発表。
同容疑者は十一日、水増し予算の交付で労を取ったのは、保健省出入り業者で現在ピラシカバ市長に納まっているペレイラ氏であると連警で供述した。同氏は前政権時代、ネグリ前保健相のときから救急車マフィアを仕切った。
ペレイラ氏の市長就任後、シリロ氏(PT党員)が後任としてマフィアを仕切った。ヴェドイン容疑者が救急車マフィアにかかわったのは、シリロ氏に代わってからのこと。マフィアへの入会は、ペレイラ氏の一存で決まった。またペレイラ氏には、六・五%の上納金を支払った。
救急車CPIは、俎上に上がった議員九十人のうち、十八人を無罪放免とした。しかし、国税庁は申告書監査の結果、全員を脱税容疑で告発した。議員らは申し開きをしたが、国税庁は受理しなかった。
これら国会議員の脱税は、過去五年に遡って監査する。脱税した所得税プラス七五%から一五〇%の課徴金が課され、罰金通知書には抗弁できる。そのためには登記所の証書や不動産台帳の証書、車両の所有証明書、金融税の納税証明などを添付する。
国税庁のコンピューターは、申告書に記載された年間所得の五倍以上の銀行取引が認められると、赤信号が点滅する。国税庁はCPIが見落としたペレイラ氏も、ヴェドインの共犯者とにらんでいる。
救急車CPIから一万二〇〇〇レアルの収賄容疑で濡れ衣を着せられたとコレイア下議(PMDB)は十一日、身の潔白を証明するため倫理委員会が正しく裁くよう議場でハンガーストを始めた。同下議は先の選挙で落選し、二〇〇七年は国会を去る。