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動き出すロンドリーナ百周年=組織委が事業計画発表=08年に5日間の祭典イベント=「中川トミ広場」建設も

2006年12月9日付け

 ブラジル日本移民百周年に向けロンドリーナ日系社会の動きが本格化してきた。ACEL(ロンドリーナ文化体育協会)など市内日系団体による組織委員会(吉井篤委員長)が十一月二十四日、アセル会館で記念事業の概要を発表した。二〇〇八年六月に五日間の記念祭典イベントを実施するほか、市内セントロに「トミ・ナカガワ広場」建設を予定。来年一月には最初の事業として日本の川筋太鼓公演が予定されている。
 ロンドリーナの百周年組織委員会は今年五月ごろ発足。アセルのほか、市内、周年の日系団体から成る。
 ロ市百周年のテーマは「ブラジル社会における日系の融合と発展」。このたび発表された事業計画の柱は、市内アウトドロモでの記念祭典と、「中川トミ広場(Praca Tomi Nagkagawa)」の建設。
 十月に死去した最後の笠戸丸移民、中川トミさんの名を関したこの広場は、同市セントロにある約九千㎡の土地内に建設を予定している。
 同市では市立美術館や移民博物館などがあるこの土地を市の文化センターとして活用する意向。その場所に日本移民の名を冠した広場ができることになる。同プロジェクトは先月十一日に市議会の承認を受けた。
 同敷地には庭園やイベント広場などを整備。さらに、造型作家の豊田豊さんによる高さ十七メートルの記念モニュメントの建設も計画されている。広場とあわせ、〇八年六月のイナウグラソンをめざすという。
 同市日系団体が市と協力して記念事業を行うのは初めてのこと。百周年に対して市側も協力の姿勢を見せているという。
 「市では、これまで医者や商工業など社会の各分野で貢献してきた日系人をオメナージェンしたいといっています」と吉井委員長。
 一方の記念祭典は二〇〇八年六月十八日から二十二日までの五日間を予定。市内にある「アイルトン・セナ国際サーキット場」を使う大がかりなものだ。
 イベントの詳細は現在検討中。「会場は一般の人にも開放します。皆さんに喜ばれる催しにしたい」と吉井委員長は話す。さらに「若者向けの行事も行い、皆で一緒に祝いたい」と語った。
 来年一月には、最初の記念イベントとして、市内マリスタ劇場で日本からの川筋太鼓来伯公演を実施。その後も文化、スポーツなど各種の関係者来伯が予定されているほか、姉妹都市の兵庫県西宮市との交流事業も検討されているようだ。同組織委では一月の会合以降、記念事業、関連イベントの内容を煮詰めていく方針だ。
 パラナ州ではパラナ日伯文化連合会(リーガ・アリアンサ)が主体となって、記念式典やイベントを計画しているが、州レベルの記念事業と平行してロンドリーナやクリチーバなど、日系人口の多い町でもそれぞれ独自の記念事業計画が検討されている。
 州、市レベルで着々と計画をすすめるパラナ日系社会。「あと一年」となる二〇〇七年以降も、さらなる動きが生れてきそうだ。