樹海

 この記事を読んでほしい。《厚生労働省は19日、職業安定局の男性係長が隣接する人事院の給湯室にあった冷蔵庫から缶ビール3本を盗んだとして、停職3カ月の懲戒処分にした▽係長は10日午後2時ごろ、人事院庁舎内の売店を利用した帰り、給湯室の冷蔵庫から盗んだ。人事院職員に見つかって取り押さえられ、警視庁丸の内署で事情聴取を受けた▽係長は「冷蔵庫が目に入り、開けたら何本もあったので思わずやった。自宅で寝酒にしようと思った」などと話しているという》(9月19日付共同、一部略)▼実はこれ1面で既報だが覚えていない読者も多いのではないか▼21日の《大阪府警曽根崎署の男性巡査長が、事件の証拠品として署内に保管していた1万円札1枚を盗んだ疑いで事情聴取を受けていることが18日、府警への取材で分かった。証拠をめぐる不祥事を受けて新設した「証拠品係」の担当者だった▽巡査長は「職場の懇親会に参加するための手持ちがなかった。黙って借りて、黙って返そうと思っていた」と話しており、勤務中に盗んだことを認めている。近く窃盗容疑で書類送検し、処分する方針▽府警は「言語道断の行為だ。厳正に対処する」と話した》(一部略)との記事を読み、これが〝事件〟として報じられることに驚いた▼ブラジルボケの証拠かもしれないが、日本の公務員の倫理基準の厳しさはずば抜けている。今話題のペトロブラス元配給部長のロベルト・コスタ被告も公務員だったが、彼がスイスの銀行口座で受け取った横領金額は2300万ドル(約24億5千万円!)だったと自白した。缶ビールなら何千万本分か!(深)