11月12、18日にオーストリアとトルコと、それぞれ敵地で行なう遠征の親善試合のサッカーのセレソンが23日に発表され、以外な顔ぶれが出揃った。今回の選出の中にはブラジル国内でプレーする選手がひとりもいなかったのだ。
これは明らかにブラジル国内の大会に配慮してのことだった。11月中旬ともなると、全国選手権も残り5試合ほどとなり、そろそろ順位の確定も近づく。その成績次第で優勝や、南米一を争うリベルタドーレス杯の出場枠となるG4(4位以内)の確保もありうる。
また11月中旬は、同時に開催されているトーナメントであるブラジル杯の準決勝、決勝も行なわれるタイミングで、ここでの優勝チームもリベルタドーレス杯に出場できる。そういう大事な時期に主力選手をセレソンの親善試合で奪われてはたまらない、というわけだ。
そんなわけで、11月のセレソンに国内組はいない。これによりキーパーのジェフェルソン(ボタフォゴ)やフォワードのジエゴ・タルデッリ(アトレチコ・ミネイロ)などの現在のセレソンのレギュラー他、10月の召集時には9人いた国内組の名前は消えた。
そういうわけで欧州組で固めざるを得なくなったセレソンだが、「その方がかえって豪華になった」という見方もある。今回はW杯時の主将のチアゴ・シウヴァが故障明けで戻ってきたのをはじめ、これまでブラジル国内のサッカー・ファンからは召集が望まれていたルーカス(PSG)やロベルト・フィルミーノ(ホッフェンハイム)など、現在開催中の欧州チャンピオンズ・リーグに出場するレベルの主力選手の名前が多く顔を並べている。
なお、欧州組中心の顔ぶれになりながらも、W杯時のサイドバックのレギュラーだったダニエル・アウヴェスとマルセロの2人は、相変わらず外れたままだ。
また、本セレソンのこの動きに伴い、22日付で報じたU21(21歳以下)セレソンの中国でのトーナメント出場メンバーも組みなおしとなった。こちらは本当は来年のU20W杯をにらみ、国内リーグを中心とした19歳以下の選手で構成されていたが、22日のときにも報じたように、彼らの中に国内強豪クラブのレギュラーが多かったために不満の声があがっていた。
そこでこのU21も欧州組の21歳以下の選手で組まれることになったが、こちらも現在ポルトガル・リーグの得点王タリスカ(ベンフィカ)と、強豪バルセロナのラフィーニャという、リオ五輪でのWエースが予想される2人が揃い踏みしたのをはじめ、強豪クラブの選手が目白押し。アレッシャンドレ・ガロ監督のもくろみは外れたかもしれないが、これはこれで豪華だ。
なお、この親善試合期間というのは各国共通で取られるものだが、その間に国内リーグの公式戦を休みにしない唯一の強豪国ということで、ブラジル・サッカー連盟はたびたび批判されている。(23日付グローボ局サイトより)