久々に運動会に参加した。最初にラジオ体操で体を伸ばし、赤組、白組に別れ、子供や親も参加する楽しいものだった。普段の運動不足のせいか徒競走で豪快に転ぶお父さんを見ながら、太陽の紫外線を気にしている自分に気づき、遠い過去となった子供時代を振り返ると、やはり家族や友達と食べるお昼が個人的にはメイン競技だった▼ブラジルらしく、様々な国の料理が揃うのが楽しい。おにぎりやから揚げはもちろん、コシンニャや肉まん、サンドイッチと目移りした。見たところ、買ったものは少なくお母さん方が腕を振るったものが多かったようだ。子供にとっては、家で準備する母親の後ろ姿もいい思い出となる▼日本では親が来ない子供を慮ってか、教室で子供だけで食べる学校もあるという。そんなことを隣のお母さんに聞くと、食中毒を気にして昼で終わるところもあると聞いて驚いた。砂埃が舞い、かなりの暑さだったが、当地では熱中症も気にしない雰囲気だった。こちらの方が健全のような気がする▼実はブラジルには「運動会の日」がある。ノロエステ地方プロミッソン市で制定されている8月最終日曜日だ。1928年8月31日に入植十周年を記念し、現上塚周平公園で初めて開かれた「全伯日系陸上競技大会」がそれにあたる。もちろん、日系コロニア最古の運動会でもある▼今回コラム子が訪れた運動会の会場となったイタペセリカ文協の運動会も相当に長く、今年4月に79回目を行っている。来年は創立80年を祝うから同年に始まったわけだ。子供の歓声を聞きながら、会館にずらりと並ぶ歴代会長の写真を見上げた。(剛)