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自動車にチップ装着へ=盗難車など取締りに効果=5年以内、費用は政府持ち

2006年11月24日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】国家交通審議会は乗用車やトラック、オートバイなどにチップの装着を義務づける決定を下し、二十二日付の官報(ジアリオ・オフィシアル)で公布した。国内四三〇〇万台の車両が対象で、一年半以内に実行に移し、五年後には全ての車両に作業を完了させるとしている。チップのはめ込み作業は車検書き換えの時点で行い、費用は州交通局が負担、所有者の負担はゼロとなる。
 同審議会によると、この狙いは車両の所有者の確認と所在を明らかにするもので、IPVA(自動車税)滞納などの違反車取締りや盗難車の追跡、交通取締り、渋滞緩和に効果があるとしている。また犯罪に使用された車の出所(ほとんどが盗難車)が瞬時に識別でき、捜査の一助となる。
 チップには車種、プレート番号、車軸番号、登録番号が登録され、市内各所に設置されるアンテナを通じて州交通局のモニターセンターに情報が送られる。チップ装着の詳細は未定だが、各州交通局が入札で業者を指定する。州によっては官民合同プロジェクト(PPP)を適用するところもある。また、費用の一部を自動車販売代理店に負担させる動きもある。
 新法令を受けてカサビサンパウロ市長は、全国他都市に先がけて実施を積極的に推進する意向を示している。交通技術公社(CET)を窓口として州交通局とタイアップさせ、市内五五〇万台の車両に二年以内に作業を完了させることを命じた。同市長は今年五月のPCC襲撃事件の発生時からこの制度の推進者だった経緯がある。襲撃に使用された車を割り出すためにこの制度の必要性を説いていた。
 サンパウロ市では今年三月、試験的にチップ使用を実験している。五〇〇台のボランティア車にチップを取付け、パウリスタ大通りなどの幹線に二十四個のアンテナを設置して運用状況を観察した。当局では仔細を明らかにしていないが、満足する結果だったとしている。