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コロニアの期待背負って=当選日系議員が抱負語る《下》

2006年11月24日付け

「デカセギ支援制度を」=谷口カシオ氏(64、PFL、連邦下議・パラナ選出)
 谷口氏は二期にわたりクリチーバ市長を務めた経歴を持つ。「日系社会がブラジルの政治により関わりを持つようになり、うれしく思う。在日デカセギが多いので、支援制度を進めていかなくてはならない」とデカセギ問題への関心を示した。
 「百周年に向け、日本とブラジルの経済関係も深くなるだろう。日系社会に恥をかかせないよう、責任と道徳心をもってがんばりたい」と話した。

「百周年に向け邁進」=飯星ワルテル氏(45、PFL、連邦下議・サンパウロ選出)
 前回の選挙でサンパウロ州議に立候補、約四万四千票を獲得したが落選。化粧品会社を経営しながら、ジャバクアラ区地区長、サンパウロ商業協会副会長などの役職を務めてきた。
 「友人たちの支えなしでは今の瞬間はなかった」とコロニアに感謝を述べたあと、「小林パウロ氏や野村丈吾氏ら、亡くなった人は日系社会に多く貢献した。私もそうなれるように皆の信用を受けて、百周年に向けもっと働いていきたい。政治も経済も全てを合わせて働こう」と呼びかけた。

「日伯交流は二世の責任」=ウイリアム・ウー氏(37、PSDB、連邦下議・サンパウロ選出)
 台湾人の父と日本人の母を持つ二世。サンパウロ市議から立候補し、当選を果たした。
 ウー氏は「飯星氏とは選挙前は戦ったが、これからは一緒に力を合わせていく」と笑顔をみせ、「日系二世の責任は、日本とブラジルの交流を深めること」とデカセギ支援制度を例にあげた。
 「日本移民百年は歴史として、とても大きな事実。これを機会に、日本とブラジルの距離が近くなるようにできれば」と話した。

「先人の貢献見習い」=パウロ・テイシェイラ氏(45、PT、連邦下議・サンパウロ選出)
 同氏は非日系だが、妻が沖縄の日系二世で、子供は六人。「妻の両親は移民として苦労をしてきたそう。日本人が社会に貢献してきたことをすばらしく思う。僕はブラジル人だが、小林、野村両氏の歩んできた道、日系への貢献を見習い、自分も同じ道を進みたい」とあいさつ。
 デジタルテレビの日本式導入を例に挙げて日伯の交流が深まっていると話し、「デカセギ子弟の教育問題への対応を日本の文科省を通じて進めたい」と抱負を語った。
 「顔は非日系だけど、心は日系」という同氏は、日本語のことにふれ、「ウチナーグチ(沖縄方言)は難しいよ」と笑顔を見せた。
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 前記七人のほか、連議としてヒデカズ・タカヤマ氏(58、PMDB)がパラナから選出され、パラナ州議として西森ルイス氏(57、PSDB)、アントニオ・テルオ・カトウ氏(52、PMDB)が当選している。    (おわり)