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20日は「黒人意識向上の日」=サンパウロ市始め15市が祝日指定

2006年11月18日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】十一月二十日はサンパウロ市で「黒人意識向上の日」として制定されており、祝日となる。この記念日は一六九五年に死去した当時の黒人部落推進運動指導者、ズンビ氏の功績を称えるもので、サンパウロ市議会で二〇〇四年に祭日として可決され、市長が裁可して実効となった。
 しかし〇四年と〇五年はいずれも土曜、日曜と重なったため、記念日としての認識は低かった。今年初めて週日(月曜日)での祝日となったことで、改めて広く知られるようになった。国家記念日と名付けられているものの、祝日への指定は各市議会の決議に委ねられている。サンパウロ州ではサンパウロ市を含め十五市のみとなっており、足並みが揃っていない。
 当日は、銀行は休み、ポウパテンポはサンパウロ市、グァルーリョス市、カンピーナス市が閉鎖、保健所は休みだが病院、救急ポストは平常通り。郵便局はグァルーリョス空港内のみが営業、ショッピング・センターは午後二時から営業開始、三月二十五日街の半数の商店が午前九時から午後二時まで開店する。
 パウリスタ大通りでは正午から集会があり、午後三時にイビラプエラ公園に向けてパレードが行われる。主催者では一万人の参加を見込んでいる。
 黒人の人口に占める割合はアフリカに次いで世界二番目となっている。日本人やイタリア人の子孫が自国に次ぐ人口を占めているのと同様だが、規模が違う。二〇〇五年のブラジル地理統計院(IBGE)の調べによると、全国の黒人は一二五〇万人で、アフリカのアンゴラに匹敵する人口となっている。サンパウロ州では三一%で、他州の平均四九・四%より少ない。全国的には一九九〇年の二五・五%から昨年は二七・二%に増加した。黒人の殺人犠牲者は一〇万人当り一二〇人で、白人の六〇・五人の倍に達しており、環境作りや社会福祉の欠如が浮き彫りとなっている。

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