入植八十周年を祝ったアルジャ日系社会。入植当時は炭焼きのほかに主だった産業のない土地だったこの町も、今では「花の町」として多くの観光客が訪れる。現在、同市に暮らす日系家族は約三百世帯。現会長の横山泰幹さんは二世、まだ四二歳の若さだ。〇四年から現在まで新会館建設に尽力する一方、活性化のためにピアノや太鼓、三味線など新しい活動にも取り組む。記念式典当日も、日本語学校の子供たち三十五人が舞台で練習の成果を披露していた。同文協では三年前から、日系に限らず地域の子供にスポーツを教える活動も実施。横山会長は「色々なことを少しずつやっていきたいですね」と話していた。
◎
戦前から連綿と続いてきたコロニア野球の歴史。六十周年式典の会場でスライド上映された写真には、「一九五三年度ミス・ベースボール」といったものもあるなど、時に笑いを交えながら、出席者たちはみな感慨深げに画面に見入っていた。強豪として鳴らしたバストス、同地出身の西徹さん(83)によれば、移住地内の十八地区にそれぞれチームがあり、対抗試合を開催していたという。当時の熱気をうかがわせる話だ。球連関係者は日本移民五十周年の年に行われた早慶戦を、百周年記念事業として計画中。来年は汎米スポーツ大会もブラジルで開催。何かと忙しくなりそうだ。
大耳小耳
2006年11月18日付け