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文協を交流のパイプに=オザスコ・津=姉妹提携30周年を祝う=津市から交流使節団迎え=市内に日本庭園落成

2006年11月15日付け

 サンパウロ州オザスコ市と三重県津市は今年、姉妹提携三十周年を迎え、十二日、津市から六人の交流使節団(松田直久団長、同市市長)が来伯。一行は同日、オザスコ日伯文化体育協会(ACENBO、平塚修会長)が開催した歓迎式典に参加。翌十三日にはエミリオ・デ・ソウザ同市市長、市議会を訪問した。「三十年の交流は、ACENBOの力添えなしでは続いてこなかった」と中川隆幸同市議会議長。歓迎式典では約二百人が集まって迎え、代表挨拶と記念品の交換が行われた。夕食会では藤原健朗助役が雲流型の土俵入りを披露する場面もあり、にぎやかで笑いの絶えない歓迎会となった。
 両市の姉妹提携が決まったのは一九七六年。三重県がサンパウロ州と姉妹提携を結んだことが発端だった。今年四月には三十周年を記念し、エミジオ・デ・ソウザ・オザスコ市長、エスタンスラウ・ドペック出納局長はじめ、岩下星二文協副会長、中岡カルロス同副会長ら九人が訪日。津市を訪れ、松田市長の表敬訪問、記念植樹などを行ってきた。
 今回の来伯使節団は、松田市長、中川隆幸市議会議長、藤原助役、小野欣一議員、水谷友紀子議員と市職員の八人。松田市長は中継地のアメリカで体調をくずし療養をとったため、十二、十三両日の日程には間に合わず、助役が代理を務めた。
 一行はACENBOの本部文化会館を訪問し、今年五十五周年を迎えた同文協の歴史写真展を見学。平塚会長、高清名誉会長ら文協関係者が説明を加えた。
 続いて陸上競技場、野球場、常設土俵を備えている文協のスポーツセンターに移動。中川議長や議員らは広い施設を見渡しながら、建設計画中の日語学校の教室や図書館の話を聞いていた。
 歓迎会にはロッキ・A・シルバ文化局長も出席。平塚会長は「両市は毎年、意義ある交流をおこなってきたが、ACENBOはこの交流のパイプ役として役立ってきたと自負している」と話し、文協の概要を紹介。これからも役割をはたしていきたいと、抱負を述べた。
 中川議長は「津市は一月に市町村がひとつになり、人口二十九万人、約七百十平方キロメートルの新『津市』としてスタートしました。新市として訪問できたことをうれしく思う」とあいさつ。「ACENBOの協力があったからこそ、三十年間続いてきた」と文協の活動を称えた。
 使節団から文協に金箔をあしらった日本の大きな扇子と浴衣が送られ、文協は木や石で飾った銅の小船を使節団にプレゼントした。
 演芸会では日本舞踊、カラオケ、陸上部の青年らによる「大きなカブ」の劇などがにぎやかに演じられる中、急遽舞台に立つことになった藤原助役が、相撲部時代の経験から雲流型の横綱土俵入りを披露。シコを踏む姿に会場からは「よいしょ」という掛け声があがっていた。
 「ブラジルみたいに遠いところでも、こうやって津市のことを知る人がいてくれるのはいいね」と小野議員。終始和やかな雰囲気で歓迎会は続いていた。
 翌十三日、使節団一行は、エミジオ市長、市議会を訪問。日本移民百周年を前にオザスコ市が市内シコメンデス公園に完成させた日本庭園の落成式に出席した。池の鯉や日本橋、「OSSASCO―TSU」ときれいに草花を刈り込んだ庭園に感心していた。