先週初めオホーツク沿岸にある佐呂間町で龍巻が発生し9人が死亡・26人が重軽傷という惨事が起きた。日本でも年間に20個近く発生するが、人的な被害がでるようなものは少ない。アメリカは龍巻が有名で年に800個もあり犠牲者も多い。それでも発生を予測するのは難しく、発生したら何処に向かうかを観測するのが中心になっているそうだ▼それにしても―怖い。吹き飛ばされた家屋の残骸は20キロも離れたオホーツク海に落下するのを目撃した漁師がいるし、10キロもある隣町に板切れが飛び、渦巻きの突風に巻き込まれた犠牲者は10数メートルも宙に飛ばされ大地へ叩きつけられるように落ちたと語る。何しろ全壊33戸、8棟が半壊、21棟が一部損壊。これがゴーという響きと渦のような風に飲み込まれあっという一瞬のうちに起きる▼被害範囲は幅200メ―トル、長さ1キロ。風は時速70キロから100キロと推定されている。犠牲となった9人のうち8人は、新しいトンネルを掘削中の「土木マン」で工事現場近くのプレハブ事務所の2階にいた。そこへバリバリという轟音と共に襲ってきた龍巻が人々を吸い込み空から地へと投げつけ命を奪ってしまう▼屋根は100メ―トルも巻き上がったし、龍巻が突き抜けたところには瓦礫だけという悲惨な爪痕が残る凄まじさである。北海道・佐呂間町付近での龍巻は珍しいそうだけれども、こればかりは何処そこだけに発生するとは申し難い。自然災害は怖くも恐ろしい。今は死に追いやられた犠牲者9人の冥福と負傷をした人々たちの回復を願うばかりである。 (遯)
2006/11/14