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地方都市で正規雇用増える=社会福祉改善と企業移転受け

2006年11月10日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】地方都市の企業の正社員としての雇用が大都市の倍以上に急増していることが、労働省の統計で明らかになった。過去六年間で、五万人以下の人口の市町村で正規雇用が五〇・一%増加したのに対し、四〇万人以上の大都市では二一・五%だった。五万人以上四〇万人の中堅都市では四三・二%となった。企業が毎年労働省に報告する従業員実態から分析したもので、昨年の登録従業員は三三二〇万人と、一九九九年の二四九〇万人に比し八三〇万人の増加となった。
 分析したカンピーナス州立大学(UNICAMP)の研究グループによると、地方都市の社会福祉基金の増加が経済成長の要因だという。九九年の基金が二五七八億レアルから八%増加し、二〇〇五年は二八〇〇億レアルとなった。
 とくに最近は貧困家族手当(ボルサ・ファミリア)が活性化の大きな要因となっている。ブラジル地理統計院(IBGE)による今年八月までの十二月間の商店の売上は北部で一六・八%、北東部で一四・三%、南東部で七・〇四%の上昇を見せた。中西部は四・五四%、南部は〇・〇七%と低調に終った。
 地方での雇用増大は企業の「脱大都市」の影響もある、例を挙げると、コーヒーのピロンやカフェー・ド・ポントおよびセレトのブランドで知られるカフェ・サラ・リー社はサンパウロ州のバルエリー市からジュンジアイ市に移転した。新工場設立で従業員をこれまでの二三〇人から六〇〇人に増やして地域に貢献している。同市が交通の要で輸送などのインフラ整備でメリットがある上、水道やガス供給が保証されている。
 食品会社のネストレもサンパウロ市内パリ区のビスケット工場を閉鎖し、マリリア市に移転した。輸送問題が主な理由。新工場のオートメ化で従業員は五七一人から一三〇人に減少したものの、関連産業で市に貢献している。
 最近とくに注目されているのがサンパウロ州ボイトゥヴァ市で、人口四万一二九人の小都市ながら一九九九年の雇用九〇〇〇人から二〇〇五年には一万五〇〇〇人に急増した。ほとんどがサンパウロ市内からの求職者だ。同市は企業に対して土地の無償提供での誘致が功を奏した。同市では毎月五〇〇人の求人があり、就職ラッシュで活気に溢れている。