ホーム | 日系社会ニュース | 〝日本の価値〟を日本人に=SOHO飯島さんが自伝=「ぼくのブラジル武者修行」=東京で〃凱旋〃講演

〝日本の価値〟を日本人に=SOHO飯島さんが自伝=「ぼくのブラジル武者修行」=東京で〃凱旋〃講演

2006年11月10日付け

 【東京発=藤崎康夫支社長】東京の一流ホテルで一移民が自伝出版パーティとは、〃錦衣帰郷〃もしくは〃凱旋〃ともいえそうな出来事だ。十一月七日午後四時から東京・ホテルニューオータニで、飯島秀昭さん(埼玉県出身)の自叙伝『ぼくのブラジル武者修行』(致知出版社、一四〇〇円)の出版記念講演と出版パーティーが盛大に開催され、約二百人が日本全国からお祝いに駆けつけた。美容関係者も訪れ、熱心に耳を傾けていた。
 「日本の民族性など、外から見た日本の価値を日本の人に知ってほしい」。原宿のカリスマ美容店で技を磨き、七九年に渡伯。現在では、従業員数約一千百人、三十店舗の美容店チェーンSOHOを築いた。
 その長い在外人生を振り返る中で、「外国に住んでいると、かえって日本がよく見えてくるって、あるじゃないですか。日本人の心とは本来こうであったのではないか、という想いを込めて書きました」という。
 飯島さんは稲盛和夫氏の経営に学ぶ「ブラジル盛和塾」の会員。「ブラジル掃除に学ぶ会」発起会員として昨年九月には第一回世界掃除大会をサンパウロで挙行した。加えて、今年第四回を行った「YOSAKOIソーラン・ブラジル大会」導入などを通し、日本的な考え方の普及に、少額ではない私費を投じてきた。その理由が余すところ無く書かれている。
 さらに、この本とは別に、日ポ両語による『実録』も現在執筆中で、来年九月十五日、自身の五十七歳の誕生日出版を目指している。ニッケイ新聞の取材に対し、「SOHOをはじめた頃、私が毎晩深夜一時、二時まで働いていたことを、今の従業員は誰も知らない。そんな歴史もみんなに伝えたい」と熱く語った。
 その翌日、来年九月十六日はSOHO二十五周年記念式典、十七日にはカット・グランプリ大会も予定しているという。