【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】大統領選挙から一夜明けた十月三十日の金融市場は、ルーラ大統領の新政権発表にもかかわらず、経済政策の不透明さからくる不信感が広がり取引は低調に終り、灰色の月曜日となった。サンパウロ市証券取引所(BOVESPA)は一・〇九%下げて株価平均指数は三万八九〇〇となった。ドル相場は〇・七五%高の二・一五レアルの終値をつけた。
カントリーリスクは二%上げて二一九ポイントとなった。先物取引(BM&F)の利率は二〇一〇年満期が二十七日の時点での一三・四一%から一三・四九%へ、二〇〇九年物は一三・二四%から一三・二九%となった。
金融アナリストらによると、ルーラ大統領の続投により、第一期政権で見せた経済政策の不透明さが改善されないとの不信感が、外国投資家に根強く残っているのが原因と見ている。さらにジェンロ憲政相が三十日発表した、パロッシ前財務相の路線を廃止する「脱パロッシ」宣言により不透明さが増したものと見ている。
パロッシ路線にとって代る政策の内容が、明らかにされていないのも不安材料となっている。さらにパロッシ路線の廃止にともない中銀幹部とくにメイレレス中銀総裁の更迭がなければ、何らの変更は見られないとする向きが多い。
中銀はインフレ抑制指向に走り過ぎて金利高を維持する余り、経済成長をおざなりにしていると指摘し、ルーラ第二期政権はこれに取り組むことにより、投資が活発になることを強調している。
経済界でも中銀スタッフの入れ替えで意見が一致している。サンパウロ州工業連盟の「脱パロッシ」論にともない中銀総裁更迭は必至であり、経済成長の重点主義を推進するスタッフが必要だとの見解を示している。
その上で、マンテガ財務相の続投は妥当であり、同相と二人三脚を組める逸材を要求している。そのほかの産業界でも同様の見方で一致している。
「脱パロッシ」宣言に反応=金融界に不安広がる=中銀総裁更迭で産業界も一致
2006年11月1日付け