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08年を両国前進の契機に=島内大使歓迎会に130人=サンパウロ市

2006年10月21日付け

 日系三十三団体による島内憲駐伯日本国大使の歓迎会が十九日夜、文協ビル貴賓室で行われ、関係者約百三十人が訪れた。
 堀村隆彦前大使の帰国から約二カ月間空席が続いていた駐伯日本国大使。島内大使にとっては、着任後はじめての来聖となる。
 日系団体、県人会代表者、近郊各市の日系市議のほか、西林万寿夫総領事、丸橋次郎首席領事、沖田豊穂領事など在聖総領事館からも関係者も出席した。
 大使、来賓、共催団体代表の紹介に続いて、共催団体を代表して上原幸啓ブラジル日本文化協会会長があいさつ。「大きな喜び」と歓迎の意を表わした。
 子弟教育に力をそそいだ先人の営みを紹介し「世界のどこにもない日系文化を残すことは我々の責務」と語るとともに、二〇〇八年を「新しい日系社会のスタート」と位置付け。百周年記念事業にも触れ「両国、ブラジル日系社会にとって真に有意義なイベントにすべく努力している。大使の絶大なる支援をお願いしたい」と述べた。
 大使としてはじめての来聖となった島内大使はあいさつで、着任前に皇居で天皇皇后両陛下に拝謁した際、天皇陛下から「ブラジルで日系人が活躍していることをうれしく思います。これからも元気で過ごすことを願っています。その旨伝えてください」と話があったことを伝えた。会場からは大きな拍手が上がった。
 三十五年間の外務省勤務の中で各国公館、中南米局で仕事をしてきた大使。「日伯関係の最前線で仕事をするのが夢だった」と着任にあたっての感想を表わす。
 開拓の苦労、戦後の混乱を乗り越えてきたブラジル日系社会へ敬意を表わすとともに、大使として「百年かけて築いた日伯友好と両国の緊密な関係をさらに増進していく所存」とあいさつ。二〇〇八年の日伯交流年、ブラジル日本移民百周年を「両国が未来に向けて前進する契機にしたい」と述べた。百周年については「制約はあるが、政府としても成功に向けてできるだけ努力したい」と話した。
 その後は一階サロンに会場を移して夕食会。酒井清一援協会長の音頭で乾杯後、食事を囲み懇談した。
 百数十人の日系社会関係者が集まった会場。「これほどの人が集まるのはサンパウロだけでしょう。うれしいです」と、大使は会場を見渡し、「両国関係が盛り上がっているこの時期に仕事ができることは、大変だけど、幸運だと思う」と抱負を語った。