ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 零細小売商が活況=融資の後押しで利益倍増

零細小売商が活況=融資の後押しで利益倍増

2006年10月6日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】ブラジルの今年の経済成長が三%台と低調に終わると予想されている中で、雑貨店などの零細商店の成長が目ざましくブームを湧き起こしている。サンパウロ市役所が中小企業支援の一環として肩入れしているサンパウロ・コンフィアという名の金融機関の融資が効果を表わしたもので、成長率は中国のGDP成長を優る勢いとなっている。
 ジェトゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)の研究グループが、零細企業におけるクレジットと収益の相互関係をテーマに、初の試みとしてサンパウロ・コンフィアの利用客一七五店を調査した。
 それによると、クレジットを享受した店は二年間で売上が六六%上昇し、利益は倍増した。この商店は雑貨店、食料飲料店、美容店、露天商、縫製店などで、ほとんどが非合法に近い営業を続けてきた。このため銀行などの正規な融資は受けられなかった。
 サンパウロ・コンフィアはこれらに積極的に融資し、グループ同士で不払いになった場合の対策も指導するなど経営相談にも乗っている。研究グループは「やる気のある人に、クレジット(資金)が入るとプラス効果が生れる」と結論づけている。
 例を挙げるとクレジットなしの店は月一%の成長で二十四ヵ月後に一万三二〇〇レアルの利益に対し、クレジットを受けた店は毎月の金利六%を差引いても実質利益が一万七五〇〇レアルとなった。
 サンパウロ・コンフィアの金利は月三・九%からあり、登録料が五・九%と決して安くはないが、貸付拒否がないのが特長。客先の五四・三%は銀行口座を有しているものの、銀行融資が認められなかったという。
 「金があれば利益があがる」と言うのはロドリゲスさん。エリオポリスに現在、雑貨店二店を構える。二年前にリストラされ、半年間失業生活を経て雑貨店を開店した。野菜や果物を細々と売り、毎月の売上は五四〇〇レアルどまりだった。サンパウロ・コンフィアのグループに入り、一五〇レアルのクレジットを受けた。返済は八週間の均等払い。
 その後、二ヵ月毎に一二〇〇レアルのクレジットへと増額していた。空っぽだった商品棚は一杯となり繁盛し、一年半後には毎月の売上が一万八〇〇〇レアルとなった。今後もさらに拡張し、将来はスーパーにしたいと願っている。