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灰色議員に厳しい審判=大半が落選の憂き目=コロール元大統領は政界復帰

2006年10月4日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二日、三日】これまでに政界スキャンダル事件に連座しながらも、今回の選挙で再選を狙った灰色議員に対して、国民が下した審判は厳しかった。保健省を舞台とした救急車スキャンダル事件で国会規律委員会で告発された五〇人の疑惑議員のうち再選を果たしたのはわずか六人となった。大統領選では現職のルーラ候補が一次投票で当選を決めるとの下馬評をよそに、決選投票に持ち込まれたが、関係者はこの原因を対立候補の資料買収スキャンダルにあると見ている。
 これまで国民は政治に汚職はつきものだとして、国会議員のみそぎに寛容な態度を示してきたが、相次ぐ大がかりなスキャンダル事件で見る目が変わってきたことを如実に示した。
 救急車スキャンダル事件で告発された上下院の六十六議員のうち、立候補を取り止めた十六議員を除いて五十元議員が再選に向けて出馬したが、当選したのはわずか六人で残りはことごとく討死にした。上院で唯一人立候補したスアスナ元上議も落選した。別のセリス上議はマット・グロッソ州知事選に打って出たもので第三位で、これまた落選した。
 灰色議員に限らず、CPI(議会調査委員会)の手ぬるい調査にも批判票が集中した。救急車スキャンダルの委員長は落選の憂き目に、ビンゴ・スキャンダルの委員長はロンドニア州知事選で敗北した。郵便局スキャンダルの委員長も南マット・グロッソ州知事で落選となった。さらに国会の食堂運営で賄賂を受け取ったとして下院議長を棒に振り、議員を辞職したカヴァルカンチ元議長も再選を果たせなかった。
 この議長を告発して話題となった、国会食堂の経営者も便乗立候補したものの世間の目は冷たく、八〇三票に終わった。
 いっぽうでみそぎを受けたのはコロール元大統領で、アラゴアス州から上議に当選した。インピーチメントとなった一九九二年以来の政界復帰となった。また汚職や不正送金などで刑務所に服役した経験のあるマルフ元サンパウロ市長は下議でトップ当選を果し、不滅の人気を誇示した。パロッシ元財務相も下馬評通り下議当選となった。これにより数々の疑惑は任期中はタナ上げとなる。ジェノイノ元PT党総裁も下議に返り咲いた。注目されたのはスタイリストでテレビタレントのクロドビル候補で、下議に初当選を果たした。