デイ・ケア・サービスが広がりを見せている。外に出て楽しみたくても、条件が整わずできないお年寄りを、他人(団体)が環境をこしらえて世話するのが、このサービスだ。デイ(一日)、ケア(世話)である▼現在、行事名称はそれぞれ違うが、実施しているのは、教会、福祉団体、文化団体など。要望が多いのであろう、地方でも行われている。実施時間、ケアの内容もさまざまだ。欠かせないのは、食事、娯楽(遊び)、老人病への対処の仕方に関する簡単な講話。ほとんどが無償である。つまり、招いてごちそうしている▼主宰する側としては「サービスのあるべき姿」は、描いてはいるが、現実は、特に金銭面の制約が多いということだろう。ある教会のサービスは、現在月一回、三十人を招いているが、会場が狭いため二組に分ける。したがって、教会側にとっては、月二回実施となっている▼お年寄りを迎える人(世話人、ボランティア)数は、お年寄りと同数、一対一である。世話人の側がお年寄りより多ければ支障はあるまいが、少なくてはサービスは成り立たない。世話人は口コミで集まってもらう▼よくしたもので、コロニアは「敬老社会」である。核家族になりたくないという社会だ。県人会婦人部の各娯楽教室の「子育て終了層」に、「一日ボランティア」のことが耳に入れば、「やってみようかな」と関心を持ってもらえそうな環境はつくられているという。この仕事も人材不備では前に進まない。(神)
2006/10/04