日系連議、一挙四人に――。一日に実施された統一選挙の開票が、二日正午現在でほぼまとまり、四人の日系連邦下院議員が誕生したことが分かった。当選したのは、サンパウロ州から立候補したウィリアン・ウー候補とワルテル・シンジ・イイホシ候補。パラナ州からは現職のヒデカズ・タカヤマ候補のほか、元クリチーバ市長のカシオ・タニグチ候補が当選を果たした。パラナ州では同時に実施された州議選挙でも、現職のルイス・ニシモリ州議、新人のアントニオ・テルオ・カトウ候補が見事当選。一方、三十数人の日系候補が乱立したサンパウロ州議会選挙では、前回同様、一人の議員も送り出せない結果になりそうだ。
今回の統一選挙では、下議、州議選挙に全国各州で約九十人の日系候補が立候補。中でもサンパウロ州からは下議に十一人、州議には三十五人が立候補する〃乱立〃状態となった。
サンパウロ州では昨年四月に小林パウロ議員が死去して以来、州選出の日系下議がいない状態が続いていたが、今回、新人二人が一度に当選する結果となった。十一万三千票あまりを獲得したウィリアン・ウー氏(PSDB)と、約十万一千票を獲得したワルテル・シンジ・イイホシ氏(PFL)だ。
サンパウロ市議から立候補したウー氏は現在三十七歳。台湾人の父と日本人の母を持つ二世。
「日系の方の一票、一票に感謝しています」。投票日の一日、サンパウロ市リベルダーデ区の客家センターで家族、後援者ら約六十人とテレビ開票を午前三時まで見守った母、巫(ウー)杉子さんはそう日系コロニアに感謝の言葉を述べた。
当選が決まったとき、ウィリアンさんは、「みんなに感謝。頑張って仕事します」と男泣きに泣いたという。
父、欽亮さんも「よかった。みなさんのおかげです」と喜びをかみ締めた。
「あの子は日本人の血を持っていることを忘れない。日系コロニアのために一生懸命やります。遠慮なく意見を言ってほしい」と杉子さんはニッケイ新聞の取材にコメントした。
コチア青年を父にもつイイホシ氏は現在四十五歳。前回のサンパウロ州議選に立候補、約四万四千票を獲得したが落選。化粧品会社を経営するかたわら、ジャバクアラ区地区長、サンパウロ商業協会副会長などの役職を務め、今回、初挑戦で見事当選を果たした。
お隣パラナ州では六人の日系候補のうち、現職のヒデカズ・タカヤマ議員(58、PMDB)が約八万五千票を獲得して再選したほか、元クリチーバ市長のカシオ・タニグチ候補(64、PFL)が約六万八千票を得て当選を果たした。
州議会選挙では、サンパウロ、パラナ州など十五州で六十六人の日系候補が選挙戦を争った。
前回も三十人以上が立候補して一人の当選も果たせなかったサンパウロ州議選は、今回も日系候補の当選ゼロ。最も多く得票したのはエリオ・ニシモト候補(PSDB)で、六万四千票。
一方のパラナ州議選では、九人の日系候補のうち、約四万五千票を獲得して再選を果たした現職のルイス・ニシモリ州議(57、PSDB)と、新人のアントニオ・テルオ・カトウ候補(52、PMDB)の二議員を送り出した。
州議選ではまた、マットグロッソ・ド・スル州で元州議のアキラ・オオツボ候補(68、PMDB)が返り咲いたほか、ミナス州ではフランシスコ・ウエジョウ(28、PTC)候補が当選している。
日系連議が4人誕生=統一選=サンパウロ州、パラナで各2人=サンパウロ州議また全滅か
2006年10月3日付け