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ルーラ候補、TV討論欠席=「生まれ故郷」で集会=野党候補全員でつるし上げ

2006年9月30日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】TVグローボ局が二十八日に行った大統領候補者による公開討論会は、現職のルーラ候補がまたも姿を見せず、野党候補らは肩すかしを食った形となった。
 野党候補らが、投票前の最後の討論会で国民の支持を決定する重要なものと位置づけたのに対し、ルーラ候補はサンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ市の選挙集会に出席することを優先した。ルーラ候補は、政界に第一歩を踏み出した「生まれ故郷」での集会をないがしろにできないとの立場を示した。
 テレビ討論は、アウキミン候補、エロイーザ候補、クリストヴァン候補の各氏が出席して予定通り行われた。第一部は野党候補らがルーラ候補と質疑応答するものだったが、各候補は答えの返ってこない、し烈な非難や攻撃を次々と披露した。
 冒頭でクリストヴァン候補は、ルーラ候補が欠席したのはこれまでにも罪に問われている不正と同罪だとした上で、不正は汚職など金が絡むものだけではなく、国民の期待を裏切るものも、その一つだと決めつけた。
 さらに今回の選挙で公金が使われているとの疑いがあるが、その事実が実証されたら、大統領を辞任する容易があるかと問うた。その上でカメラに向けて、ブラジルの民主主義のためにも、「決選投票に持ち込もう」と呼びかけた。
 エロイーザ候補はさらに過激な発言で、「犯罪組織(労働者党)を一国の大統領が指揮している」と叫弾した。アウキミン候補は討論会を欠席したのは国民への侮辱だとし、討論で投票する相手を決める選挙民がいることを強調した。さらに欠席は教育や保健にビジョンがないため、公に恥をさらすのを避けるためだと言及した。第二部は野党同士の質疑応答となったが、主(?)がいないせいか、柔わらいだ雰囲気の応酬となった。
 テレビ討論は午後十時四十分から〇時十五分までの時間帯にもかかわらず、サンパウロ州で視聴率は三〇ポイント(IBOPE調べ)となり、一六三万世帯がチャンネルを合わせたことになる。