浜松で開かれた日伯の司法専門家によるセミナーでは、犯罪人引渡し条約ではなく、日本で犯した犯罪をブラジルの刑法で裁く「代理処罰」が現実的との見方が示された。とはいえ、日本在住者には「ブラジルは遠い」とのイメージが強い。裁判の傍聴や、裁判書類の閲覧をしたくとも、言葉も分からず、現地で頼るあてもない状況がよけい心理的な距離感を伸ばしている。日系社会側でボランティアのような形で、被害者家族を支援する組織が生まれれば、その「遠さ」は多少なりとも和らぐかもしれない。
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リオ在住のフルート奏者、熊本尚美さんが二十一日、サントスで行ったショーロコンサート。開演前にはサントス沖縄県人会が沖縄民謡を披露するなど、地元日系団体が開催に協力、多くの日系人も会場に駆けつけた。オリジナル曲を中心に、七弦ギター、カヴァキーニョ、クラリネット、フルートのカルテット形式で演奏。弦、管楽器が奏でるショーロの四重奏に会場は静かに耳を傾けた。サントス日本人会の遠藤浩会長は、公演後壇上で、「サントスが百周年に向け行う初のイベント」と位置付け、「ブラジル、日本、みんなのお祭りにしたい」と〇八年への協力を呼びかけていた。
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イグアスー移住地を訪問した県連のふるさと巡りの一行が、移住地の人々と同移住地内にイッペーなど六樹種を記念植樹した。オイスカの渡辺忠さんが長旅の一行が元気なことをきのう伝えてきた。イグアスーの植樹責任者たちは、ていねいにも植樹の翌日、現場で図面と台帳を作成、それを県連に送付した。これによって、樹に添付した植樹者の名札が無くなっても、誰が植えた樹であることがわかる。将来、再訪して〃わが樹〃と対面できるよう長寿でありたい。
大耳小耳
2006年9月28日付け