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野党、大統領こき下ろす=ルーラ大統領は「悪魔」=時間稼ぎと連警の捜査批判

2006年9月27日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】サンパウロ市北部で二十五日に行われたブラジル民主社会党(PSDB)と自由前線党(PFL)の野党連立候補の選挙集会は、一転してルーラ大統領の糾弾の場と化した。
 主役を演じたのはPSDBの重鎮、カルドーゾ前大統領で、ルーラ大統領を「悪魔」と名指し、選挙の票でこの悪魔を葬るべきだとし、これまでにない激しい口調で攻撃し、二五〇〇人の参加者から喝采を浴びた。
 さらに前大統領は現大統領を一連の政界スキャンダルの責任者だと決めつけた。また二十四日にルーラ大統領がキリストもユダに裏切られたことを例に挙げ、自身も一部の労働者党(PT)党員に(資料スキャンダルで)裏切られたと発言したのに対し、キリストを引き合いに出すのは不謹慎だとした上で、キリストは(ルーラ大統領と違い)裏切り者に一度たりとも抱擁していないし、同士や仲間と呼んだことはないとし、悪魔とキリストを一緒にしてもらっては困ると強調した。
 さらに個人データ購入スキャンダルでPTのベルゾイニ総裁が関与していたことで、裏切り者を要職に指名した大統領の責任でもあり、指名に使用する指先までが腐っている証拠だとこき降ろした。加えて同スキャンダルについては、買収資金(一七五万レアル)の出所と流れ、誰が主謀者なのかを我々は知る権利があるとして、連警の捜査の遅れを指摘した。前大統領はアメリカの銀行に依頼すれば情報(ドルの流れ)は一週間以内に届くとして、連警を批判した。
 次いで登場したアウキミン候補は、最新の世論調査で支持率が急伸したことため意気軒高で、クリーンな政治を訴えた。同日夜の企業家との会食ではスキャンダルに触れ、事件が発覚してから十一日も経つのに連警は銀行口座開示や電話記録などの一連の捜査を開始していないとした上で、明らかに時間稼ぎと真実いんぺい工作が行われていると非難した。
 また、キリスト発言についてはカトリック信者に失礼だとした上で、ルーラ大統領は裏切り者のユダそのものだと決めつけた。
 セーラサンパウロ州知事候補は優柔な姿勢を見せ、ブラジルには正直かつ正当な大統領が必要で、ゴシップ続きの政権は変える必要があると訴えた。PSDBのタッソ総裁は、ルーラ候補が当選しても法的追及を受ける恥をさらすことになるとし、インピーチメントに発展するだろうと強調した。
 PFLのボウンハウゼンン総裁は、大統領がスキャンダルに関与したPTを狂人の群れと称したが、彼自身がその群れの頭領だと述べた。リオデジャネイロ市のマイヤ市長(PFL)は、ルーラ大統領は馬鹿だと評した上で、彼の場所は刑務所だと過激な発言を行った。