このたび入植七十五周年を祝った福博村。村のあるスザノ市が誕生して今年で八十五周年。同年に創設した北部植民地もこの十一月に八十五周年を祝うという。日本移民五十周年祭のころは十八の植民地があったそうだ。まさしく日系コロニアとともに育った町だ。「昔はビルなんかなかった。バスもなくて駅まで十二キロ歩いたものだよ」と、かつてのスザノを知る老人。都市発展の中で、往時ののどかな風景は消えた。それでも、今もコロニアの灯をともし続けている人たちがいる。
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先週末行われた国際民族舞踊祭。会場は多くの人で溢れ、二日目、入り口には「LOTADO(満員)」の表示がされ、扉が閉ざされた。年間、多くのイベントを行う文協だが、これほど集客力のある企画があるだろうか。三代続いて舞台を踏んだ家族がいるなど、三十五年の歴史を感じさせる祭典だ。各国コロニアがそれぞれの文化を披露する、まさにブラジルの縮図ともいえるイベントを主催する文協。面目躍如たるものがある。
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国際民族舞踊祭が開かれた文協ビルには、各国コロニアからも応援が。大サロンでは各国コロニアの自慢の民族料理やお菓子類も売られ入場者を歓迎。普段は見かける機会の少ないコミュニティの顔ぶれに「各国の〃顔〃が、文協の〃顔〃で見られるのはうれしいこと」と、文協の小川彰夫副会長も笑顔。
大耳小耳
2006年9月27日付け