26日、大統領選挙の決選投票が行なわれ、ジウマ大統領(労働者党・PT)が、アエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)を破り、再選を果たした。だが、今回の決選投票での支持率は51・6%で、ブラジルの過去の大統領選で最も接戦という苦しい選挙だった。27日付伯字紙が報じている。
数日前までの世論調査では、「53~54%の支持率でジウマ氏有利」と言われていたが、ジウマ氏にとって予断を許せる状況ではなかった。
それは24日に発売されたヴェージャ紙が「ペトロブラス贈収賄疑惑に関してルーラ前大統領もジウマ氏も知っていた」と題して表紙にしたためだ。メンサロン事件を最初に世に知らしめた同誌の報道ということもあり、ジウマ氏は選挙高等裁判所に差し止めを求めるなどの行動もとった。実際、直前の24日に発表されたダッタフォーリャ、イボッピの世論調査のジウマ氏の支持率は微妙に落ちていた。
だが、蓋を開けてみればジウマ氏が勝利した。その得票差はジウマ氏が51・6%でアエシオ氏が48・4%。これは1989年の大統領選でフェルナンド・コーロル氏がルーラ氏に53%対47%で勝ったときをも上回る、ブラジル大統領選史上最大の接戦だった。
得票の内訳で見ると、南東伯、南伯、中西伯はアエシオ氏が優勢だった。この3地区でアエシオ氏が勝てなかったのは45%のリオ州と48%のミナス・ジェライス州のみで、最大の票田であるサンパウロ州に至っては64%の支持率だった。
だが、一方で北東伯と北伯での支持となるとジウマ氏が圧倒的に有利だった。特に北東伯ではいずれも60%の支持率を獲得。とりわけバイーア、ペルナンブッコ、セアラー、マラニョンといった同地域でも人口が多い4州でいずれも70%を超える支持率を獲得した。また、北伯でもロライマ州とアクレ州以外で勝利を収めた。
この投票結果を知り、昨年のサッカーのコンフェデ杯の際の全国的なマニフェスタソン以来、政治改革を求めてきた人たちは失望と怒りを表現し、ネット上では「北東伯と北伯を分離しろ」との声があがった。
また、現政権によるボウサ・ファミリア(生活扶助)の受給者が多い地域でジウマ氏が圧勝したことを皮肉り、「極貧層はボウサ・ファミリアの恩恵を受け、それ以外の国民は経済低成長とインフレに苦しむのか」などの声も目立った。
ジウマ氏の当選後、27日午前のサンパウロ証券取引所(Bovespa)の株価は4・45%下がり、ドル高も進んで1ドルは2・56レアルとなった。
当選後、ジウマ氏は汚職問題を追及していくことを約束し、国民がひとつになることを求めた。
一方、アエシオ氏は敗戦後にジウマ氏に電話で当選を祝い、同様に国をまとめることを求めた。また記者会見では、多くの人々が自身への支持を表明してくれたことに感謝の念を表した。
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