2006年9月26日付け
サンベルナルド・ド・カンポ市の学校法人「アルモニア学園」の創立五十三周年式典が二十三日、同学園で開かれ、席上、校舎を増築し校名を「新アルモニア学園」とする計画が発表された。同プロジェクトは学園敷地内に高校部と幼稚部の校舎を新築するもので、予算は四百万ドル(約四億六千万円)。来年一月に工事をはじめ、ブラジル日本移民百周年を迎える二〇〇八年の完成をめざすとしている。百周年の箱物四事業の一つ、アルモニア日伯学園プロジェクト。他事業の停滞をよそに一歩前進したようだ。
このほど発表された「新アルモニア学園」プロジェクトは、同学園の敷地内に高校部と幼稚部の校舎を増築する計画。高校部の校舎は三階建てで、屋上には運動場を設置する。総床面積は三六五八㎡。幼稚部の校舎は一階建てで床面積七八二㎡。
建設、設備等の予算として計四百万ドルを計上。スポンサーや日系社会から協力を募り、資金に充てていく考えだ。工事は二〇〇七年一月をめどに開始、ブラジル日本移民百周年を迎える〇八年の完成をめざしている。
現在の生徒数は三百二十人で、そのうち日系子弟は約三割。日本語を必修科目とする同学園では、和太鼓や碁、柔道などの日本文化教育もあわせて行われている。新校舎の建設後は、約八百人の生徒を受け入れることが可能となるという。
式典には、同学園関係者始め、来賓として百周年記念協会の吉岡黎明総務委員長、関根隆範ブラジル日本文化協会副会長、サンベルナルド・ド・カンポ市のウィリアム・ディビ市長ら三百五十人が出席した。
アルモニア学園は、地方から出聖してきた学生を支援する目的で、五三年九月に「ブラジル力行会」によって作られたアルモニア学生寮から始まった。しかし、時代と共に日系社会が豊かになり寮を利用する学生が減少する中、九二年、創立四十周年の年にブラジル公認初等学校・アルモニア教育センターを開設。五十周年を迎えた〇二年に高校部を新設し、現在にいたっている。〃日系子弟の教育〃にこだわりながら時代の要請に応じて形を変えてきた日系学校だ。
同学生寮から巣立った日系リーダーたちも多く、アルモニア学園現理事長の和田忠義さんもその一人。
和田理事長は、ブラジル社会の中で、日本語教育と日本文化を学ぶ必要性を強調、「優秀な人間をつくってゆきたい」と新アルモニア学園の構想を力説した。