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いまだに続く奴隷労働=10年間に1万8千人解放=森林破壊とも密接な関係

2006年9月22日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】奴隷制度が廃止されて一世紀以上も経過しているにもかかわらず、ブラジルではいまだに奴隷労働が続いている。
 国際労働機関(ILO)ブラジル支部が二十日、ブラジリアで発表したもので、それによると過去十年間で一万八〇〇〇人が労働省の監督官に解放されたものの、告発は三万四五〇〇件に達していることから、いまだに二万五〇〇〇人が奴隷労働を強いられていると推測している。
 奴隷労働のトップに挙げられるのがパラー州で、一九九五年から二〇〇五年までに、告発あるいは提訴件数のトップで、解放されたうち三七・五%を同州が占める。次いでマット・グロッソ州が二二・三%だった。
 奴隷労働は単に労働法違反に限らず、森林破壊と暴力虐待とも関連している。奴隷労働から解放された上位十都市のうち、バイア州の二市をのぞいて、すべて環境破壊のランク上に位置されている。裏を返すと、森林を開拓して農地にするために奴隷労働が当てられている。暴力行為では、農地での殺人が最も多かった十都市のうち、七都市が奴隷の解放された都市だった。
 奴隷労働が多いのは、畜産業界で八〇%となっている。ここでは森林を伐採して、耕地として牧草畑にする作業に従事している、次いで大豆と綿策で一〇%となっている。
 奴隷制度は十九世紀時代の旧態が依然続いている。借金で身動きがとれなくなるのだ。初期の移民が体験した借金地獄と同様で、交通費、衣服費、食費、はては作業用具に至るまで使用者が貸し付ける。労働者はいつまで経っても減らないツケ台帳にしばられることになる。逃げ出したくてもほとんどの労働者が、自分がどこにいるかさえ分からないため、身動きがとれない。
 多くの労働者はマラニョン、ピアウイー、トカンチンス州から甘言に乗せられたり、一旗揚げようとして移住してきたもので、解放された一万八〇〇〇人のうち、九一・五%を占めた。