【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】ブラジル発着の国際線の空の足が外国航空会社に占められ、ブラジル籍の就航率は二八・五%と四分の一を少し上回る実態となっている。
ヴァリグ航空の経営行き詰まりで国際路線の就航が停止されたことで、競合していた外資系航空会社が渡りに舟と増便してシェアを拡大した。現在このシェアは七一・五%になった。
ほとんどヴァリグが独占していた十七の国際路線のうち、花形と言われる路線はさらに高いシェアとなっている。主なところでは、ブラジル―ポルトガル線が九九・六%、日本線九八・八%、アメリカ線八七・二%、英国線七七・六%となっており、唯一ヴァリグが乗り入れているドイツ線さえも六四・三%と、外国勢に客を取られている。二〇〇二年はこれが逆でヴァリグが六五・五%だった。今年はわずか三五・七%にとどまっている。
これにより、ブラジル籍の航空機はほとんどの路線で少ないシェアに甘んじているが、わずかにアルゼンチン、パラグアイ、ベネズエラ線で外国勢を抑えている。
この原因はヴァリグの再建が遅々として進まないためで、ヴァリグが保有している就航路線も宙に浮いたままとなり、国内航空会社の新規参入の壁となっている。国内のTAMとGOLは、オーシャンエアーとBRAの二社とともにヴァリグの既存路線を獲得すべく民間航空局に許可を申請した。
しかしヴァリグの財管人であるリオデジャネイロ地裁がこれを受理せず解決に至らないまま、現在に至っている。地裁ではヴァリグ優先の態度を示している。両社の首脳部は、国内経済効果に多大な影響を与えるとして、早期解決をルーラ大統領に直訴した。
外国航空会社のシェア拡大=国内他社参入にヴァリグの壁
2006年9月15日付け