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経済成長はわずか0.5%=第2四半期=各業界に衝撃走る=政府目標達成は至難の業=選挙に影響なしとPT楽観

2006年9月1日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】ブラジル地理統計院(IBGE)が三十一日に発表した、第2四半期(4月―六月)のGDP(国内総生産=国の経済力の指数)成長率がわずか〇・五%にとどまったことで、各業界に衝撃が走っている。これを受けて悲観論者は年内成長を二%台とし、楽観論者でさえも三%前後と下方修正する動きが出ており、政府目標の四%ないし四・五%の達成は至難の業だとみる空気が占めている。しかしマンテガ財務相は一時的なもので、すでに回復に向かっているとの強気の姿勢を見せて、四%達成の考えを強調している。経済成長のかげりは、再選に向けて選挙戦を有利に展開しているルーラ大統領への批判の的となると予想されるものの、政府筋では国民の関心は日頃の食料とクレジットにあるとして影響はないとの不らちな発言も出ている。
 国の公式数値によると、第2四半期のGDP成長率はわずか〇・五%で、第1四半期(一月―三月)の一・三%の半分にも満たない鈍足成長となった。昨年同期は一・二%だった。アナリストによると一月から四月までの成長は一・七%で、もしここで年を終えていたら年間二%以下の惨めな結果になっていたと分析する。
 〇・五%の低率ながらプラス成長だったのは、一般家庭の消費増がテコになったと指摘している。消費はこの期間一・二%の上昇となり、昨年同期比四%増しとなった。この原因は個人クレジットの簡易による需要の増加で、第1四半期のクレジット残高が三五・二%と爆発的に増加したのに続き、第2四半期も三一・八%と上昇したことにある。
 一方、業種別でマイナス成長となったのは、工業(〇・三%)、資本財投資(二・二%)、サービスを含む輸出(五・一%)と輸入(〇・一%)で、プラスとなったのは農畜産(〇・八%)、サービス(〇・六%)、政府消費(〇・八%)に過ぎない。
 これにより各界では中銀(四%)と政府(四・五%)の目標達成には程遠いとの判断から、下方修正を余儀なくされている。予算管理省筋では三・八%に修正する予定。サンパウロ州工業連盟ではこれまで低く見積もった三・五%をさらに下方修正して、二・五%ないし三%とする方向で作業を進めている。同連盟では四%成長は「奇跡が起きない限り無理」と決めつけている。全国工業連盟は二・九%へ、医療機器工業会(ANBID)では三%へと修正する意向を示している。
 いっぽうでマンテガ財務相はあくまでも四%成長の姿勢を崩していない。第2四半期の経済停滞は、税関吏のストによる輸出や輸入の通関遅廷によるものと、六月のサッカーのワールドカップによる経済業界の停止が原因だったとした上で、七月から回復気運になっているとコメントしている。
 経済停滞で政府批判が高まると予想される中、政府筋は今回の選挙ではこれが原因でルーラ大統領の支持が低下することはないと公言している。ルーラ陣営では、選挙民は安い食料と簡易なクレジットに興味を示すものの、経済成長には関心がないとの発言がみられた。国会スキャンダルを闇に葬る姿勢に続き、関係者からひんしゅくを買っている。