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軍警、市民に平静呼びかけ=PCCの大規模襲撃察知=パトロール3倍の厳戒態勢=サンパウロ州

2006年9月1日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】犯罪組織州都第一コマンド(PCC)が不穏な動きを見せて襲撃を再開する可能性が出たことを受けて、軍警サンパウロ州指令官は三十日異例となる声明文を発表し、市民に平静を保つよう呼びかけた。
 前代未聞の声明文による呼びかけの中で指令官は、二十九日に発生した一部地域での襲撃は前哨戦で、PCCが活動を開始した創立記念日として定めている三十一日にはより大規模な騒動が懸念されるとしながらも、二十九日以来、パトロールを三倍に補強して可能な限りの軍警を街中に投入していることを明らかにした。
 さらにいかなる襲撃や暴挙にも屈することなく、対抗手段で迎え撃つとの決意を強調した。これにともない、市民に対し、PCCの威かく行為にまどわされず、平常の日常生活を冷静に続けて欲しいと呼びかけた。
 同指令官によると、PCCの標的は警察や銀行に集中するとみられるが、市民を威かくするというかく乱戦法で彼らの動きを正当化しようとしていると決めつけている。その上で社会秩序を保つために、些細な動きでも電話181番(告発)あるいは190番(軍警)に通報することも呼びかけた。と同時にサンパウロ市のクラウジオ大司教が二十七日から始めた市民平和運動に同調して、当局と共に保安強化の運動を展開することを望むとの立場を強調した。
 この呼びかけに対し、市民の反応はさまざまで、「PCCのおかげで生活のローテーションをいちいち変えていてはキリがない」とし、我々の協力でテロを撲滅すべきだとする賛成派と、いっぽうでは「これまで市民をないがしろにしてPCCを増長させておいて、何を今さら」という批判の声もある。
 軍警では三十一日蜂起に向けての指令書やパンフレットを多数押収(未成年者が日当一〇レアルで配布していた)したが、その中で政府要人を誘拐するよう指示したものを発見した。
 それによると、先のテレビ局グローボのリポーターなどの小物ではなく、大物を狙えと指示されていた。レンボサンパウロ州知事はこれに対し、「おどかしだけで実行は不可能」と一笑に付している。しかし知事は二十七日の日曜ミサでのガードマンが一人だったのに対し、今は四人に増強している。