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PCCが襲撃を再開=銀行など州内4カ所で=大規模作戦を前倒し実行か

2006年8月31日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】サンパウロ市を含むサンパウロ州各市で二十九日、犯罪組織州都第一コマンド(PCC)が襲撃を再開したことで、サンパウロ州治安当局は今年に入って四回目の蜂起とみて警戒を強めている。
 今回の襲撃は小規模ながらも三十日から三十一日にかけての大規模作戦の前哨戦とみている。軍警情報部では、PCCの創立記念日である三十一日に襲撃を実行するとの情報をキャッチして、全州に警戒命令を出していた。
 二十九日の襲撃は、七十六人のPCC幹部が他の刑務所に移送されたのに抗議して行われたもので、三十一日に予定されていたものを前倒しで実行したとみている。
 一部の過激派グループはこれまで数度にわたり前倒しで実行してきている。攻撃の第一弾では、サンベルナルド・ド・カンポ市の軍警本部前で駐車していた乗用車が焼打ちにあった。
 次いで午後九時半、サンパウロ市南部ブルックリン区のウニバンコ銀行の四台の自動預け払い機が焼き打ちにあった。同行の防犯カメラには覆面をした男が次々と放火する姿が映されていた。西部スマレー区で同じ銀行の支店内部に火炎ビンが投げられたが、火はすぐ消し止められ大事に至らなかった。
 リベイロン・プレット市では、相次いで二件の襲撃事件が起きた。軍警詰所にピストルが一発撃ち込まれ、バネスパ銀行は三発の被害を受けた。いずれも負傷者は出なかった。サントス市ではオートバイに乗った男が学校警備員に発砲、軽傷を負わせた。
 今年第四回目となるPCCの蜂起は、七十六人の幹部の移送を阻止するのが目的で、騒動で当局にゆさぶりをかける計画が、二十七日の面会日で実行指令が出されたとみられている。刑務所管理局はこれら幹部をプレシデンテ・ベルナルデス市の刑務所からアヴァレー市へと移送した。
 表向きは七月の囚人暴動で破壊された所内の修理となっているが、本来の目的はアヴァレー市刑務所の懲役房に各幹部を隔離して外部との連絡を絶ちきることにある。ただし首領格の通称マルコーラは移送されずに現在のまま収容される。