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PTとPCCが癒着?=盗聴で疑惑生じる=「PT以外の政治家狙え」=できればPSDBを

2006年8月24日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十三日】サンパウロ州の市警本部は二十二日、盗聴により州都第一コマンド(PCC)と労働者党(PT)との間に何らかの関係のある疑いがあるとして、解明に向けて捜査本部を設けた。裁判所の許可により刑務所に設置した服役者の外部連絡を盗聴する装置で、PT党員以外の政治家を襲撃目標に加える指令を五月十二日に確認した。それは第一回襲撃の直前で、指令した服役者はマギレーロとモリンガ。指令内容は手始めに刑務官とその上に君臨する政治家、PT以外なら誰でもよい。できればブラジル民主社会党(PSDB)というもの。PT党本部は、当件について一切の釈明を拒否した。
 盗聴が行われた刑務所はサンパウロ州西部。録音テープは、ピント新刑務所管理局長官からアブレウ保安長官へ手渡された。盗聴責任者は市警のデズグアウド本部長。レンボサンパウロ州知事は、フルカワ前刑務所管理局長官からPSDB所属議員が襲撃目標になっているとした報告を受け、知っていた。しかし、情報の一人歩きを防ぐため内密に伏されていた。
 PSDB所属議員は十三日早朝、市警本部の特別警護を受け、異常事態に驚いた。刑務所がある地域の議員がPCCから狙われたようだ。マイリンキ市のバチスタ市議(PSDB)は十三日午前八時、ランショネッテで射殺された。フルカワ前長官は事件当日、サンパウロ州知事に一四四通の殺害を教唆したメモを渡した。知事は、政治的効果を狙ったイタズラとして看過した。
 サンパウロ州検察局は通報により、モリンガをプレジデンテ・ベルナルデス第一級刑務所の独房に収監。現在は一日二十二時間の監視体制にあり、テレビや新聞の閲覧、妻の訪問も禁じた。
 マギレーロは、身元確認を急いでいる。プレジデンテ・ヴェンセスラウ刑務所第二棟五〇二号室に収監されているレネ・ガルシアの別名らしい。一日二十二時間の監視体制が、PCCの報復としてテレビ局レポーターの拉致につながったようだ。
 PT以外の政治家が暗殺対象となっていることを十月選挙まで秘密にし、本人にも知らせない方針と麻薬捜査課はいう。同課は盗聴記録を、アウキミン候補やセーラ候補へのいやがらせかイタズラの類と取り扱っている。治安不備を選挙運動で揺さぶり、候補者の精神的な困ばいを狙ったと当局は解釈している。
 公開された盗聴記録から、PT党員によるPCCが絡んだ浅慮な行為と推察され、政治レベルの策動とは思えないとPSDBサンパウロ州支部はいう。PCCとPTは人権問題の腐れ縁でつながり、癒着関係があったことは事実と認めた。
 銃密売CPI(議会調査委員会)で、PCC襲撃事件はアウキミン体制の政治責任追及のきっかけとなり、フルカワ前長官などを失脚させる策動のあったことが判明した。サンパウロ州保安局情報部によれば、PCCの刑務所暴動や襲撃事件の背後に政治的策略のあったことが確認されている。
 PTサンパウロ州支部のフラテッシ支部長は、盗聴記録の出所と信ぴょう性について疑問を七つ提示し、納得する回答が確認されるまで一切のコメントを拒否した。