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調査対象議員は67人に=救急車汚職=辞職したのは2人のみ=議員権はく奪逃れに自信?

2006年8月23日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】下院倫理委員会は二十二日朝、議会調査委員会(CPI)に対し、救急車スキャンダルに関与して不正を働いた下院議員らを正式に告発した。
 CPIは議員権はく奪と公職追放に向けて本格調査を開始する。これに先立ち倫理委員会は疑惑議員が自主的に議員辞職する期限を二十二日午前〇時と定めたにもかかわらず、辞職届を提出したのはブラジル民主運動党(PMDB)の議員ただ一人にとどまった。まさに大山鳴動してネズミ一匹の様相を示した。
 先週自由前線党(PFL)の議員が一人辞職していることから、CPIの調査対象は当初の六十九議員から六十七議員となった。倫理委員会は少なくとも一〇%が議員辞職すると踏んで告発寸前までチャンスを与えたとし、読みが外れたとコメントしている。その上で疑惑議員らは無罪を勝ち取り、議員権はく奪は逃れられると思い込んでいるものと予測している。
 実際に労働者党(PT)裏金操作に関する郵便局スキャンダル、いわゆるメンサロン疑惑では、有罪となったのは三人のみで、ほとんどが国会議決で否認された経緯があり、同委員会ではこの二の舞を期待する向きが多いとみている。
 CPIの本格調査に先立ち、十一議員が最高裁に対し調査停止の仮処分を求めて提訴した。しかし四人の最高裁判事は、このうち十件に対し申請却下を言い渡した。CPIでは九月中に議決に持ち込みたいとの意向を示している。これによりクロと断定された議員は、十月の総選挙での立候補は不可能となる。
 いっぽうで検察は、CPIとは個別に刑事告発を決め、新たに起訴する二十七人を含む総勢八十四議員の捜査権を最高裁に申請したが、最高裁は前向きに検討するため、証拠物件の提出を求めた。