【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】連邦検事総長は十七日、地方自治体の救急車購買に関する汚職事件、いわゆる救急車スキャンダルで、新たに二十七人の国会議員を起訴する方針を固め、捜査権の承認を最高裁判所に要請したことを明らかにした。
検察ではこれまで五十七議員の起訴を決定しており、今回の追加起訴で八十四議員が汚職などの罪で刑事訴訟となる。議員の捜査は最高裁の権限となっていることから、捜査権の承認が必要で、認められると一件ずつ立件していく構えを見せている。
検察ではこれまで、五月三十一日に十五人、六月三十日に四十二人の刑事告発を行っているが、今回の二十七人も含め極秘捜査として名前は公表していない。これにより捜査は最終段階を迎えたとして、残すは立証のみとの態度を示している。
いっぽうで連邦警察の捜査報告と独自の立場で調査を進めてきた下院倫理委員会は、六十九人の上下院議員がこの汚職に関与したとして、CPI(議会調査委員会)に二十二日に告発することを決定した。
CPIの調査結果は検察の刑事告発とは関係なく、議員権はく奪による政治活動の停止と公職追放を対象とするもの。調査段階で訴えにより、最高裁が差し止めをする場合もあり得る。
いずれにせよ、検察とCPIが犯罪をクロと断定したことにより、前代未聞の大量の現職議員が絡んだ不正事件は、解明に向けて前進した。
CPIに告発される六十九議員の事態は深刻で、二十一日まで倫理委員会に釈明や抗弁が許されるものの、身の証を立てられずに十月の総選挙で再選を狙う議員は二十一日までに議員辞職を強いられる。二十二日にCPIに告発されると議員辞職は認められず、議決で議員権はく奪となると、向こう八年間の政治活動停止と公職追放となる。もちろん十月の出馬も不可能となる。
国会筋によると七人が辞職を決意しているという。これまで自由前線党(PFL)の議員が汚名を着て辞職届を提出している。二十一日までに何人が辞職してみそぎを受けるか、注目される。
救急車汚職=新たに議員27人起訴へ=計84人が刑事訴訟に=前代未聞の大汚職解明に前進
2006年8月19日付け