ニッケイ新聞 2006年8月17日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】工業部門の設備投資が今年になって回復傾向にある。半数以上(五三・六%)の企業が前年と比べ生産能力を高めるための投資拡大を計画していることが、ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団(FGV)が先月、六四二社を対象に実施した調査で明らかとなった。
投資総額は今年、二一五億レアルに達するとみられ、一七九億レアルだった昨年と比べ一九・七%の増加。昨年は二〇〇〇年以降最低を記録していた。
設備投資拡大を計画する企業の割合を製品別でみると、資本財(五六・一%)、中間財(五五・六%)、消費財(五〇・九%)、建設資材(五〇・八%)。業種別では輸送機器、木材、化学、食品、プラスチックで拡大幅が大きく、非金属、機械、鉄鋼、繊維、衣料、製靴で小さかった。
売上に占める投資額の割合(今年の予想)は七・〇%と、二〇〇〇年以降二番目に低かった昨年(六・一%)を上回る見通し。しかし、〇四年(九・九七%)や電力危機の発生した〇一年(八・三七%)よりも低い。製品別では、中間財(九・三%)、建設資材(五・三%)、消費財(五・二%)、資本財(三・一%)の順。中間財は中国を始めとする国々の需要増加や、国際市場でのコモディティ価格上昇に引っ張られる形で生産増が期待されている。