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オーバーブッキングに注意=違法行為ではない=ヴァリグ経営破綻後急増=結局は早い者勝ち

ニッケイ新聞 2006年8月11日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】空港で〃オーバーブッキング〃と問うと、ほとんどの利用客が「ン?」と意味を解していなかった。ポ語の辞書では〃予約超過〃と定義づけている。飛行機の場合、収容座席よりも多い航空券を販売し予約を受け付ける。当然あぶれて地上に置き去りにされる被害者が出る。とくにヴァリグ航空が経営破綻で運航停止や便のキャンセルが相次いで以来、空の足は大混乱となりオーバーブッキングは日常茶飯事となっている。しかし、オーバーブッキングは違法ではないのだ。「そんな馬鹿な」と白眼をむく向きもあるが、航空業界では正当な行為である。しかし、それにともなう規制があるので、正当な権利を把握しておく必要がある。
 航空関係者はオーバーブッキングではなく、オーバーセール(販売超過)だと嘆く。なぜオーバーブッキングが法で許され、慣例化したのか? それはNOSHOW(予約しておきながら空港に現われない搭乗客)が急増しているからだという。
 最近は罰金や他の便への予約を断るなどの対策が取られているが、これまでは何の科めもなかった。NOSHOWは各社が一年間の予約状況をみて判断するが、平均で二〇%の高率となっている。この穴埋めにオーバーブッキングの措置が取られている。しかし、かといって航空会社の都合で利用客が被害にあうのは黙っていられない。オーバーブッキングは法で許容されているものの、丸々無罪放免ではない。
 飛行機に搭乗できなかった乗客に対し、航空会社は四時間を限度に代替便での座席を提供する義務がある。この時間を過ぎると航空会社は食事、交通費、電話代、場合によっては宿泊代や損失が生じた賠償金を支払わなければならない。代替便がない場合は航空券の払い戻しも余儀なくされる。
 航空利用者擁護局は航空会社のカウンターや空港の民間航空局に明細証明を提示して請求したり、あるいはプロコンに訴えるなどで、権利を強く主張するよう呼びかけている。同局ではこれまで苦情が一日一〇件程度だったのが、ヴァリグ航空の破綻以来、三〇件から四〇件に増えたという、ほとんどがオーバーブッキングの被害者だ。
 オーバーブッキングの被害を避けるため、民間航空局では次の点を心掛けるよう呼びかけている。できるだけ早目に空港に行きチェックインして座席を確保すること。座席番号を持っていると搭乗を拒否できないからだ。またチェックインは早い者勝ちなので予約の確認をしたからと油断は禁物、国内線では一時間前に、国際線では二時間前に空港に到着するのが理想的。連休の前日の夜の便は避け、朝の便を選ぶこと。内外に限らず必ず事前に予約の再確認(リコンファーム)を行うこと。