ニッケイ新聞 2006年8月11日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】ブラジルの銀行業務で暗証番号にとって代わり、手相の識別機が近くお目見得する。識別機のメーカーは日本の富士通で、導入するのはブラデスコ銀行。すでに試験的にオザスコ市の同銀行本店に一台設置されており、年内に各支店に五〇台設置される見込み。
識別機は手をかざすだけで、血管の細胞を読み取り、予め入力してあるデータと照合して本人であることを確認する。ブラデスコ銀行では指紋読取機など幾多のセンサーを検討した結果、日本でも広く使われているこの機種がベストとして決定したという。機種は一台一〇〇〇ドルと他の物より高価だが、性能と防犯の観点から決めたとのこと。さらに機械に手をかざすだけで触る必要がないことから、保健衛生上も清潔だとしている。
本人を確認するセンサーとしては指紋、眼球、声などがあるが、指紋の場合はケガや切り傷で読み取りにくい。声は機械の前で名前やコード言葉を言うものだが、風邪などで声変わりしているとトラブルになる。眼球は虹彩を読み取るもので精度が高い。